「教えることの難しさは変わらない。トライアンドエラーの繰り返しです」
引退後は指導者になろうと、おぼろげながら考えていた。
「試合に絡めなかった時期にランセンスを発行してもらいました」。日本協会公認の指導者資格B級とC級は大宮での現役時代に取り、A級ジェネラルは昨年の指導者養成講習会を受講して取得。2番目に難しいGKレベル3は19年に付与された。
教わる立場から数か月後には教える側に回り、12年は古巣・大宮のスクールコーチのほか、07年から大宮と業務提携を結ぶ東洋大のコーチを週に3日ずつこなした。
13年は東洋大コーチと並行し、大宮でジュニアとジュニアユースを担当。中学に進級すると8人制から11人制となり、ボールは4号から5号、ゴールも少年用から大人用に変わるため、捕球や跳ぶ、倒れるといったGKに必須の基本技術をしっかり教え込んだ。大学生には現役時代の練習メニューを導入。「最初は必死にやるだけで余裕なんて全然なかった。今でも教えることの難しさは変わらず、トライアンドエラーの繰り返しなんです」と笑い、選手時代と同じく学び続ける日々だという。
4年間兼務した後、17年から23年まで大宮ユース(19年から大宮U18に改称)のコーチに専念。7年間携わり、昨季明大からツエーゲン金沢に加入した久保賢也、今季立正大から藤枝MYFCに入ったジョーンズ・レイは、小学~高校まで大宮のアカデミーで指導したGKである。
コーチ像が確立したのは、17年に日本協会が主催したドイツ人コーチによる研修会がきっかけ。ゴールから見て角度のないところ、45度、正面に分け、ゴールとボールの距離もいくつかに区切ってGKが戦況に応じてどう対応するのかを試す練習だ。「基準を設けたこの教え方は分かりやすく、自分に適していたのでこれをベースに従来の手法を組み合わせた練習メニューを考えました」。
昨年、7年ぶりに東洋大のGKコーチに就任した。最初に派遣された12年は、関東大学リーグ2部を制して1部昇格を果たしたが、最下位に沈んで1年で2部へ逆戻り。16年に2位となって1部復帰を遂げるまでコーチを担った。
「試合に絡めなかった時期にランセンスを発行してもらいました」。日本協会公認の指導者資格B級とC級は大宮での現役時代に取り、A級ジェネラルは昨年の指導者養成講習会を受講して取得。2番目に難しいGKレベル3は19年に付与された。
教わる立場から数か月後には教える側に回り、12年は古巣・大宮のスクールコーチのほか、07年から大宮と業務提携を結ぶ東洋大のコーチを週に3日ずつこなした。
13年は東洋大コーチと並行し、大宮でジュニアとジュニアユースを担当。中学に進級すると8人制から11人制となり、ボールは4号から5号、ゴールも少年用から大人用に変わるため、捕球や跳ぶ、倒れるといったGKに必須の基本技術をしっかり教え込んだ。大学生には現役時代の練習メニューを導入。「最初は必死にやるだけで余裕なんて全然なかった。今でも教えることの難しさは変わらず、トライアンドエラーの繰り返しなんです」と笑い、選手時代と同じく学び続ける日々だという。
4年間兼務した後、17年から23年まで大宮ユース(19年から大宮U18に改称)のコーチに専念。7年間携わり、昨季明大からツエーゲン金沢に加入した久保賢也、今季立正大から藤枝MYFCに入ったジョーンズ・レイは、小学~高校まで大宮のアカデミーで指導したGKである。
コーチ像が確立したのは、17年に日本協会が主催したドイツ人コーチによる研修会がきっかけ。ゴールから見て角度のないところ、45度、正面に分け、ゴールとボールの距離もいくつかに区切ってGKが戦況に応じてどう対応するのかを試す練習だ。「基準を設けたこの教え方は分かりやすく、自分に適していたのでこれをベースに従来の手法を組み合わせた練習メニューを考えました」。
昨年、7年ぶりに東洋大のGKコーチに就任した。最初に派遣された12年は、関東大学リーグ2部を制して1部昇格を果たしたが、最下位に沈んで1年で2部へ逆戻り。16年に2位となって1部復帰を遂げるまでコーチを担った。
優勝争いとは無縁だった往時とは一変。昨季戻るやいなや、第73回全日本大学選手権で初優勝を飾り、3季目の関東大学リーグ1部では3位と躍進する。「望んでいたタイトルだったし、日本一は自分にとっても人生初。嬉しかった」と喜ぶ。
東洋大では大学選手権優勝メンバーで、今季アスルクラロ沼津へ加入した前田宙杜をはじめ、松本健太(柏レイソル)や小池大喜(元ブラウブリッツ秋田)、浅沼優瑠(元V・ファーレン長崎)らが教え子だ。
練習を見ていると、選手への接し方に人間性が感じ取れる。語りかける口調は穏やかで、丁寧で、相手が納得するまで対応。苦労した現役時代があっただけに、GKが身に付けるべきものを心得ている。
もっとも最大の武器は人柄の良さだろう。この世界で長くやってこられたのはそれがあればこそだ。「選手目線に立ち、GKとして当たり前のことが当たり前のようにできるよう意識させています」と説明する。
シーズンの目標は選手が決め、今季はリーグ初優勝と大学選手権連覇を掲げる。荒谷はこれにしっかり寄り添っていきたいという。
東洋大では大学選手権優勝メンバーで、今季アスルクラロ沼津へ加入した前田宙杜をはじめ、松本健太(柏レイソル)や小池大喜(元ブラウブリッツ秋田)、浅沼優瑠(元V・ファーレン長崎)らが教え子だ。
練習を見ていると、選手への接し方に人間性が感じ取れる。語りかける口調は穏やかで、丁寧で、相手が納得するまで対応。苦労した現役時代があっただけに、GKが身に付けるべきものを心得ている。
もっとも最大の武器は人柄の良さだろう。この世界で長くやってこられたのはそれがあればこそだ。「選手目線に立ち、GKとして当たり前のことが当たり前のようにできるよう意識させています」と説明する。
シーズンの目標は選手が決め、今季はリーグ初優勝と大学選手権連覇を掲げる。荒谷はこれにしっかり寄り添っていきたいという。