【担当記者の目】ボスニア戦で露呈された“脆さ”。オーストラリアとの決戦に膨らむ不安

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年06月08日

攻撃面でチームが目指すべき方向性と清武の特性は合致する。

アジリティに優れ、小気味良くワンタッチパスを使う清武は、スピーディで連動性ある仕掛けの中心軸として、今後の活躍に期待がかかる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ポジティブな面に目を向ければ、着実に「戦力の底上げ」が確認できたことか。
 
 今回のキリンカップでは、本田が左膝裏の負傷で2試合とも出場が叶わず、香川真司は初戦のブルガリア戦で負傷し、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦は欠場を余儀なくされた。
 
 こうした事態のなかで、存在感を高めたのが清武だった。ブルガリア戦では左ウイングで先発して、香川の負傷交代後は本職のトップ下でプレーし、7-2の大勝を収めたゲームで多くのゴールチャンスに絡んでみせた。
 
 続くボスニア・ヘルツェゴビナ戦ではトップ下でスタメン出場すると、今年3月のアフガニスタン戦以来となる代表通算3点目となる先制弾を記録。指揮官の起用に見事に応えてみせた。
 
 もっとも、フル出場しながらも勝利に導けなかっただけに、不本意な結果に本人も納得はいっていないだろう。ただ、ワンタッチパスを巧みに使いこなし、周囲と連動しながら攻撃のテンポアップを促す能力は、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でも随所に発揮されていた。
 
「縦への速さ」を重視するハリルジャパンの戦術とも相性が良く、チームが目指すべきスタイルの熟成には不可欠なひとりとなりそうだ。無論、レギュラー定着に向けても大きく前進できたに違いない。
 
 トップ下のポジション争いでも、香川に肉薄したと言っていい。もちろん、プレーイメージを共有する両者の共存という選択肢もある。その際、清武は左ウイングでの起用が濃厚となるが、このポジションでは宇佐美がライバルとなり、その宇佐美も今回のキリンカップでは2試合とも、質の高いプレーを見せた。
 
 とりわけボスニア・ヘルツェゴビナ戦のハイパフォーマンスは特筆に値する。柔軟なドリブルで敵陣を切り裂き、際どいシュートを放ち、逆サイドの選手を活かす正確なミドルパスも供給。好不調の波は否めないが、ハマった時の躍動感はこれほどのものかと、指揮官が惚れ込むポテンシャルを見せつける格好となった。
 
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