フランス、そしてフランス・フットボールの原風景が味わえる。
そんなサンテティエンヌのスペシャリストとして知られるのは、『レキップ』紙のベルナール・リオンス記者。『ラ・レジャンド・デ・ヴェール(緑伝説)』という豪華本も出版しています。
リオンス記者は、「必見は2つ!」と断言します。
「第一は、『ミュゼ・デ・ヴェール(緑の博物館=フットボール博物館)』。2年前にオープンして以来、大成功を収めている。とにかくレ・ヴェールの歴史が全て分かるモダンな博物館で、フランスで唯一のフットボールクラブ博物館なんだ!」
そう興奮気味に語る記者の、もうひとつのオススメは?
「『ミュゼ・ド・ラ・ミーヌ(炭鉱博物館)』。当時の炭鉱の様子が再現されていて、実によくできている。見るべし!」
この博物館は、73年に閉山したクーリオ鉱跡に作られたもの。ちなみにASサンテティエンヌでは、お金漬けになってしまった現代のフットボーラーにここを見学させ、“レ・ヴェールの原点”を忘れないよう指導しています。
さて、食事はどうでしょうか? リオンス記者は、この面でもさらさらとオススメを挙げてくれました。
「まず、サポーター用のバーがスタジアムにあるから、試合前後にビールや軽いスナックがとれて便利このうえない。クラブ運営で、その名も『Chaudron Vert(ショドロン・ヴェール)』だ」
「もっとしっかりと食べたいなら、ジャン・ジョレス広場に行くといい。ここには、イタリア料理の『Pizzeria Le Stromboli(ピッツェリア・ル・ストロンボリ)』があって、けっこう遅くまで営業しているはずだ」
ちなみにここのピザは、薪の火で焼く本格派。かつては、あのジネディーヌ・ジダンも訪れたそうです。
「同じ広場には『Les Poteaux Carres(レ・ポト・カレ)』もあるぞ! そう、伝説のポト・カレだ(笑)。こちらはフランス料理。だが俺のイチ押しは、レトラにあるフランス料理の『La Pause(ラ・ポーズ)』だな。やや高めだが、美しいテラスがあって味も抜群。時間をとって行ってみるといい」
ちなみにこのお店、お昼ならそんなに高くありませんので、トライの価値ありです。
レストラン名まで“フット尽くめ”でウキウキしてくる街ですが、でもフットボールだけではありません。サンテティエンヌは今、急激に“デザインと文化の街”に変貌中なのです。日本の神戸や名古屋とともに、ユネスコの創造都市にも認定されています。
改装されたスタジアムもその象徴ですが、「サンテティエンヌ・シャトークルー」駅周辺も大変貌しました。また、武器工場があった地区もデザイン地区として変身。もちろん、サンテティエンヌ近代美術館も見逃せないスポットで、近代美術としてはフランス第2の美術館です。
また、「ゼニット・ド・サンテティエンヌ・メトロポール」と呼ばれる大ホール、「ル・フィル」と呼ばれるコンサートホールなどは、ローヌ・アルプ地方最大の文化シーンに発展しています。
さらに周辺の自然に目を移すと、ロワール川クルーズもオススメ。サンテティエンヌはフランスを代表する大河、ロワールの源泉に近いのです。
ロワール川と聞けば、フランス中西部の有名なお城の数々を想像するかもしれませんが、実はその源泉は中東部のこちら。ロワール渓谷を巡れば、美しい自然はもとより、「フランス・プロフォンド(深部のフランス)」と呼ばれる、この国の原風景を楽しめるでしょう。
サンテティエンヌから遠くない小さな街に生まれたジャケ元代表監督は、「フランス・プロフォンドの象徴」といわれました。工場労働者として働きながらボールを蹴り、やがて「レ・ヴェール」の主将を務め、ついには監督として世界の頂点に立ったからです。
そう、サンテティエンヌとその周辺は、フランス・フットボールそのものの原風景なのかもしれません。
文:結城 麻里
リオンス記者は、「必見は2つ!」と断言します。
「第一は、『ミュゼ・デ・ヴェール(緑の博物館=フットボール博物館)』。2年前にオープンして以来、大成功を収めている。とにかくレ・ヴェールの歴史が全て分かるモダンな博物館で、フランスで唯一のフットボールクラブ博物館なんだ!」
そう興奮気味に語る記者の、もうひとつのオススメは?
「『ミュゼ・ド・ラ・ミーヌ(炭鉱博物館)』。当時の炭鉱の様子が再現されていて、実によくできている。見るべし!」
この博物館は、73年に閉山したクーリオ鉱跡に作られたもの。ちなみにASサンテティエンヌでは、お金漬けになってしまった現代のフットボーラーにここを見学させ、“レ・ヴェールの原点”を忘れないよう指導しています。
さて、食事はどうでしょうか? リオンス記者は、この面でもさらさらとオススメを挙げてくれました。
「まず、サポーター用のバーがスタジアムにあるから、試合前後にビールや軽いスナックがとれて便利このうえない。クラブ運営で、その名も『Chaudron Vert(ショドロン・ヴェール)』だ」
「もっとしっかりと食べたいなら、ジャン・ジョレス広場に行くといい。ここには、イタリア料理の『Pizzeria Le Stromboli(ピッツェリア・ル・ストロンボリ)』があって、けっこう遅くまで営業しているはずだ」
ちなみにここのピザは、薪の火で焼く本格派。かつては、あのジネディーヌ・ジダンも訪れたそうです。
「同じ広場には『Les Poteaux Carres(レ・ポト・カレ)』もあるぞ! そう、伝説のポト・カレだ(笑)。こちらはフランス料理。だが俺のイチ押しは、レトラにあるフランス料理の『La Pause(ラ・ポーズ)』だな。やや高めだが、美しいテラスがあって味も抜群。時間をとって行ってみるといい」
ちなみにこのお店、お昼ならそんなに高くありませんので、トライの価値ありです。
レストラン名まで“フット尽くめ”でウキウキしてくる街ですが、でもフットボールだけではありません。サンテティエンヌは今、急激に“デザインと文化の街”に変貌中なのです。日本の神戸や名古屋とともに、ユネスコの創造都市にも認定されています。
改装されたスタジアムもその象徴ですが、「サンテティエンヌ・シャトークルー」駅周辺も大変貌しました。また、武器工場があった地区もデザイン地区として変身。もちろん、サンテティエンヌ近代美術館も見逃せないスポットで、近代美術としてはフランス第2の美術館です。
また、「ゼニット・ド・サンテティエンヌ・メトロポール」と呼ばれる大ホール、「ル・フィル」と呼ばれるコンサートホールなどは、ローヌ・アルプ地方最大の文化シーンに発展しています。
さらに周辺の自然に目を移すと、ロワール川クルーズもオススメ。サンテティエンヌはフランスを代表する大河、ロワールの源泉に近いのです。
ロワール川と聞けば、フランス中西部の有名なお城の数々を想像するかもしれませんが、実はその源泉は中東部のこちら。ロワール渓谷を巡れば、美しい自然はもとより、「フランス・プロフォンド(深部のフランス)」と呼ばれる、この国の原風景を楽しめるでしょう。
サンテティエンヌから遠くない小さな街に生まれたジャケ元代表監督は、「フランス・プロフォンドの象徴」といわれました。工場労働者として働きながらボールを蹴り、やがて「レ・ヴェール」の主将を務め、ついには監督として世界の頂点に立ったからです。
そう、サンテティエンヌとその周辺は、フランス・フットボールそのものの原風景なのかもしれません。
文:結城 麻里
【主なアクセス】
◇パリからサンテティエンヌ
TGVで「パリ・リヨン」駅発→「サンテティエンヌ・シャトークルー」駅下車(約2時間40分)
◇ジョフロワ・ギシャール
トラムで「シャトークルー」駅発→「ジョフロワ・ギシャール」駅下車
※2キロほどの距離なので、徒歩も可能、タクシーでも安価
【EURO2016完全ガイド|グループA~C編】フランス、イングランド、ドイツの首位通過は鉄板だ
【EURO2016完全ガイド|グループD~F編】スペイン、ベルギーも油断はできない
【EURO2016】出場24チームの基本フォーメーションまとめ
【回想PHOTOギャラリー】フランスで開催された3つのビッグイベント
◇パリからサンテティエンヌ
TGVで「パリ・リヨン」駅発→「サンテティエンヌ・シャトークルー」駅下車(約2時間40分)
◇ジョフロワ・ギシャール
トラムで「シャトークルー」駅発→「ジョフロワ・ギシャール」駅下車
※2キロほどの距離なので、徒歩も可能、タクシーでも安価
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