6月15日までガッリアーニは実質的に両手を縛られた状態…。
もうひとつは、ヨーロッパ全体におけるミラン、そしてイタリアの地盤沈下だ。10年前のミランは、年間2億ユーロ台前半の売上高を誇り、レアル・マドリーやマンチェスター・ユナイテッドとサッカークラブの売上高ランキングのトップを争っていた。
しかしその後、ライバルがマーケティング、スポンサー、スタジアム関連などのビジネスを拡大して、売上高を3億、4億、5億ユーロと伸ばしてきたのに対し、イタリアという市場環境の悪さもあってそうしたビジネスを伸ばせなかったミランの売上高は、今も10年前と変わらない水準に留まっている。売上高ランキングでもトップ10から脱落してしまった。
売上高で2倍の差があるライバルと渡り合ってヨーロッパのトップレベルで戦い続けるためには、オーナーの資金力でそのギャップを埋めることが不可欠だ。
しかし、この10年で欧州サッカーのビジネス規模が大きく拡大したため、ロシア(チェルシー)や中東(パリSG、マンチェスター・C)のような桁外れの大富豪でもない限り、欧州トップレベルの競争力を保てるだけの資金的なバックアップは不可能になっている。ビジネスの不調で資金的な余裕がなくなっているフィニンベスト・グループに、そんな余裕はまったくないのだ。
いずれにしても、来シーズンのミランがどうなるかは、この買収交渉に結論が出される6月15日までは、まったくの不透明だ。
中国資本との取り決めでは、当面の間チームの強化・補強に関する権限はこれまで通りミラン側(ガッリアーニ副会長)が持つが、100万ユーロ(約1億2500万円)以上の収入/支出に関しては、中国側に図った上で同意を得なければならないことになっている。100万ユーロというのは、セリエBでプレーしている並の若手選手が買えるかどうかという金額であり、実質的にガッリアーニは両手を縛られているのと同じだ。
とはいえ、これからの1か月間は来シーズンに向けたチーム構想を固めるうえで絶対的に重要な時期。次期監督をどうするか(クリスティアン・ブロッキ現監督が続投する可能性はかなり低い)にはじまって、少なくとも基本的なチーム作りの方向性までは、ガッリアーニが中国サイドに伺いを立てながら進めることになるだろう。
今のところ次期監督候補としては、ヴィンチェンツォ・モンテッラ(サンプドリア)、マルコ・ジャンパオロ(エンポリ)が有力だと伝えられている。
しかしその後、ライバルがマーケティング、スポンサー、スタジアム関連などのビジネスを拡大して、売上高を3億、4億、5億ユーロと伸ばしてきたのに対し、イタリアという市場環境の悪さもあってそうしたビジネスを伸ばせなかったミランの売上高は、今も10年前と変わらない水準に留まっている。売上高ランキングでもトップ10から脱落してしまった。
売上高で2倍の差があるライバルと渡り合ってヨーロッパのトップレベルで戦い続けるためには、オーナーの資金力でそのギャップを埋めることが不可欠だ。
しかし、この10年で欧州サッカーのビジネス規模が大きく拡大したため、ロシア(チェルシー)や中東(パリSG、マンチェスター・C)のような桁外れの大富豪でもない限り、欧州トップレベルの競争力を保てるだけの資金的なバックアップは不可能になっている。ビジネスの不調で資金的な余裕がなくなっているフィニンベスト・グループに、そんな余裕はまったくないのだ。
いずれにしても、来シーズンのミランがどうなるかは、この買収交渉に結論が出される6月15日までは、まったくの不透明だ。
中国資本との取り決めでは、当面の間チームの強化・補強に関する権限はこれまで通りミラン側(ガッリアーニ副会長)が持つが、100万ユーロ(約1億2500万円)以上の収入/支出に関しては、中国側に図った上で同意を得なければならないことになっている。100万ユーロというのは、セリエBでプレーしている並の若手選手が買えるかどうかという金額であり、実質的にガッリアーニは両手を縛られているのと同じだ。
とはいえ、これからの1か月間は来シーズンに向けたチーム構想を固めるうえで絶対的に重要な時期。次期監督をどうするか(クリスティアン・ブロッキ現監督が続投する可能性はかなり低い)にはじまって、少なくとも基本的なチーム作りの方向性までは、ガッリアーニが中国サイドに伺いを立てながら進めることになるだろう。
今のところ次期監督候補としては、ヴィンチェンツォ・モンテッラ(サンプドリア)、マルコ・ジャンパオロ(エンポリ)が有力だと伝えられている。