ACLのセパハン戦。アウェーでの引き分けは上々と思っていたが…。
「でもね、俊さん、ヤットさん(遠藤)と膝を突き合わせて話した記憶がないんです。ピッチでちょっと話すだけで分かり合えた。だから『日本代表ってやっぱり凄いな』と思った。うまくてサッカーIQの高い選手たちの集合体―それが日本代表なんだなって」
準々決勝でオーストラリアを退けた日本は、しかし、サウジアラビアとの準決勝に2―3で敗れると、韓国との3位決定戦でもPK戦の末に屈してしまう。
3連覇を逃した責任と悔しさを感じながらも、中村はこの時点で日本代表の未来をこんな風に見据えていたという。
「暑さと湿度が凄まじくて、みんな疲弊しているのに、オシムさんはスタメンを固定し、練習量も落とさなかった。だから、もちろん優勝を狙っていたんだけど、一方でチーム作りの一貫という考えもあったと思う。アジアカップで築かれたベースを元に、この先チームがどう変わっていくのか楽しみだった。
アジアカップ閉幕から2か月後、ACL初出場ながらグループステージを突破した川崎は、イランのセパハンとの準々決勝を迎えた。
9月19日の初戦は敵地でのゲーム。1600メートルの高地にあるイスファハンは練習をするだけで息苦しさを覚えるほどだった。
「空気は薄いし、乾燥していて口がパサパサになるし、グラウンドもボコボコ」というアウェーの洗礼を受けた川崎は、0―0で試合を終える。
「勝つチャンスはあったけど、アウェーだし、0―0は上出来なんじゃないかって思っていたんです、この時点では」
だが、ACL初挑戦の中村とチームメイトがホーム&アウェーの本当の難しさを思い知るのは1週間後、ホームゲームがキックオフされた直後だった。
「合計スコアが並べばアウェーゴールが多いほうの勝利。ということは、先制されたら2点取らないといけないわけで、急にプレッシャーに襲われて……」
カウンター狙いで守りを固めるセパハンを川崎は攻めあぐね、時間ばかりが過ぎていく。ジュニーニョやチョン・テセがドリブル突破で打開しようとするが、セパハンの堅い守りをこじ開けられない。密着マークを受けていた中村も5本のシュートを放って奮闘したが、身体には限界が訪れていた。
準々決勝でオーストラリアを退けた日本は、しかし、サウジアラビアとの準決勝に2―3で敗れると、韓国との3位決定戦でもPK戦の末に屈してしまう。
3連覇を逃した責任と悔しさを感じながらも、中村はこの時点で日本代表の未来をこんな風に見据えていたという。
「暑さと湿度が凄まじくて、みんな疲弊しているのに、オシムさんはスタメンを固定し、練習量も落とさなかった。だから、もちろん優勝を狙っていたんだけど、一方でチーム作りの一貫という考えもあったと思う。アジアカップで築かれたベースを元に、この先チームがどう変わっていくのか楽しみだった。
アジアカップ閉幕から2か月後、ACL初出場ながらグループステージを突破した川崎は、イランのセパハンとの準々決勝を迎えた。
9月19日の初戦は敵地でのゲーム。1600メートルの高地にあるイスファハンは練習をするだけで息苦しさを覚えるほどだった。
「空気は薄いし、乾燥していて口がパサパサになるし、グラウンドもボコボコ」というアウェーの洗礼を受けた川崎は、0―0で試合を終える。
「勝つチャンスはあったけど、アウェーだし、0―0は上出来なんじゃないかって思っていたんです、この時点では」
だが、ACL初挑戦の中村とチームメイトがホーム&アウェーの本当の難しさを思い知るのは1週間後、ホームゲームがキックオフされた直後だった。
「合計スコアが並べばアウェーゴールが多いほうの勝利。ということは、先制されたら2点取らないといけないわけで、急にプレッシャーに襲われて……」
カウンター狙いで守りを固めるセパハンを川崎は攻めあぐね、時間ばかりが過ぎていく。ジュニーニョやチョン・テセがドリブル突破で打開しようとするが、セパハンの堅い守りをこじ開けられない。密着マークを受けていた中村も5本のシュートを放って奮闘したが、身体には限界が訪れていた。