「今日パパ、点獲ってね」。試合当日に玄関先で声を掛けられ、ゴールを約束していた。
もうひとつ、チームメイトの誰もが「琢磨さんがナンバー1」だと認めるのが、その子煩悩ぶり。いわゆる「イクメン」だ。実はこの日の朝、自宅を出発する時に、5歳になる二男の凰良(おうら)くんから「今日パパ、点獲ってね」と玄関先で声を掛けられ、ゴールの約束をしていたのだという。
「普段はそんなこと言わないんですけどね。実は4年前のJ2で、7年ぶりにゴールを決めた時も、試合前に凰良を抱いて入場していたんです。アイツなにかを持っているんですよ」と、嬉しそうに話す表情は、すっかり父親の顔に戻っていた。
帰路の選手バスに乗り込む直前「いろいろ難しい時期もあったけど、このゴールで報われたのでは?」と尋ねると「そんなことないですよ。それじゃあ、まるで引退するみたいじゃないですか」と、一笑に付された。
「嬉しかったですけど。まだまだですよ。まだまだ現役やりたいんで。これからですよ」
35歳6か月のJ1初ゴールも、到達点ではない。彼にとっては、まだまだ、はじめの一歩だった。
取材・文:渡辺 功(フリーライター)
「普段はそんなこと言わないんですけどね。実は4年前のJ2で、7年ぶりにゴールを決めた時も、試合前に凰良を抱いて入場していたんです。アイツなにかを持っているんですよ」と、嬉しそうに話す表情は、すっかり父親の顔に戻っていた。
帰路の選手バスに乗り込む直前「いろいろ難しい時期もあったけど、このゴールで報われたのでは?」と尋ねると「そんなことないですよ。それじゃあ、まるで引退するみたいじゃないですか」と、一笑に付された。
「嬉しかったですけど。まだまだですよ。まだまだ現役やりたいんで。これからですよ」
35歳6か月のJ1初ゴールも、到達点ではない。彼にとっては、まだまだ、はじめの一歩だった。
取材・文:渡辺 功(フリーライター)