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涙なしでは語れない川崎の恩師や仲間たちとの別れ。山根視来が気持ちを書き綴ったメモ帳とMLSへの想い【インタビュー/パート3】

カテゴリ:海外日本人

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年03月29日

移籍当初の壁を越えられた背景

当初はプレー面でも迷いが。それでもある出来事がキッカケで吹っ切れたという。(C)Getty Images

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「移籍する前のMLSのイメージはすごくフィジカル寄りのリーグなんだろうなというものでした。麻也くんにどういう感じか訊くこともできていました。

 正直に言うと、去年、僕はACLを戦うのが一番楽しくて、最も『サッカーをやっているな』と感じることができたんです。アウェーでの難しさ、観客席から飛んでくる厳しい野次やジェスチャー、そして対面する大きくて、速くて、強い相手。MLSに飛び込めば、その環境を日々、体験できるという想いがありました。だから僕は欧州が良かったなどとは、あまり思ってないんです」

 ただし、渡米後、当初はプレー面で難しさも感じたという。そんな時に背中を押してくれたのが川崎での経験だった。
 
「外国人のなかで、日本人が入ってやる難しさは、実際に体験してみないと分からないと思うんです。それこそ日本代表として外国人と戦う舞台とはまた違って、自分が得意なプレーをとにかく出そうとする選手が多かったりする。

 日本人だったらつながりを意識しながらやりますが、『いや俺はこういう選手だから』と、自分の特長を出すことに集中している選手と一緒にやっていくなかで、『恐らくこうしてくれるよね』と期待すると、自分の思ったようには動いてくれないシチュエーションに直面して難しさを感じてしまう。

 そのうえ、身体の大きな選手が目の前に来たり、日本では引っかからないようなパスを長い足で当てられたりと、選手ひとりとして何ができるのかを、すごく試されているなと感じました。

 そんな時、キャンプの途中に、フロンターレのACLの試合があって(ACLラウンド16のアウェー・山東泰山戦/○3-2。ただ1週間後のホームでの一戦で川崎は敗れて敗退となった)、久々に天皇杯決勝のハイライトも見ていたら、改めて心にくるものがあったんです。こっちきて難しさを感じているなかで、ACLのアウェーの試合を含めて身体を張って、勝ちにこだわる、すでに真剣勝負のなかにいるフロンターレの選手たちの姿を目にして、『俺は何をしているんだ』と。もっとやらなくちゃいけないと決意してから、良いプレーを出せるようになりました。

 それこそ最初のうちは『ああしてほしい、こうしてほしい』と考えていましたが、味方がどういうプレーをするかまだ分からない部分があるなかで、気を使って味方を見ることに時間をかけると、どんどん自分のリズムが狂ってしまう。

 そこを『もう良いや、めちゃくちゃ要求してやろう』と意識を変え、好きなように動き、自分が欲しいところで受け、意図を見方にちゃんと伝えるようにしたら、キャンプのラスト数日や、最後の練習試合は自分のなかで良いプレーができたんです」
 
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