【ドイツ代表】新システム3-4-3の試行、ゲッツェのゴールなど実り多き強化試合に

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2016年03月31日

自身の存在価値を証明したゲッツェ。

バイエルンで出場機会を失っているせいもあってか、消える時間帯も多かったゲッツェ。しかし、ここぞの集中力でゴールを決めて、その存在を証明した。 (C) Getty Images

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 個人に目を向ければ、バイエルンで出場機会を得られていないゲッツェがゴールという結果を残したことが、ドイツにとっては何よりの朗報だった。単独での状況打開、フィジカルコンディションなど調整は必要だが、改めて能力の高さを示した。
 
 また、軽快な動きで攻守に貢献していたのがドラクスラーだ。ボールを持たないとゲームに絡めない悪癖は解消され、ダイナミックなドリブルで攻撃にアクセントを加えていた。
 
 特にチーム3点目のシーンで披露した3人を置き去りにするドリブルと完全に相手DFとGKの意識を引き付けてからの横パスで、ヘクターのゴールをアシストしたのは見事だった。
 
 逆にマイナス評価となったのはGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンだろう。足下の技術の高さは彼の武器ではあるとはいえ、リスクのある状況で無理に繋げようとするシーンが見られ、味方のプレーを困難にするだけではなく、チームに不要な不安を招いてしまっていた。
 
 精彩を欠いたマルコ・ロイスも評価を下げた一人だ。持ち味の積極的な仕掛けは鳴りを潜め、無難なプレーに終始。おそらく本選のメンバー入りは果たすだろうが、レギュラー獲得には相当のアピールが必要になるだろう。
 
 なお、EUROに向けた暫定メンバーは5月17日に発表予定。3月29日のアウグスブルクでのスロバキアとの親善試合後に本選メンバーが確定する。
 
文:中野吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
 

無理に繋ごうとし、ピンチを招くこともあったテア・シュテーゲン。絶対的な守護神のノイアーに並ぶためには、まだまだ経験が必要だ。 (C) Getty Images

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