レーブが新システムを試した理由。
イタリア戦でヨアヒム・レーブ監督が着手しなければならなかったのは、いかに攻撃力を損なわずに守備の安定を図るのかという点だ。そのため、3-4-3の新システムを採用したのは興味深い試みだった。
アントニオ・リュディガー、スコドラン・ムスタフィ、マッツ・フンメルスが3バックを形成し、その前にセバスティアン・ルディ、メスト・エジル、トニ・クロース、ヨナス・ヘクターが並び、最前線にはトーマス・ミュラー、マリオ・ゲッツェ、ユリアン・ドラクスラーが入ったのだ。ではなぜ、レーブは3バックを選択したのか――。
守備の要で、現在負傷離脱中のボアテングがEURO本番に間に合えば、これまで通りの4バックが基本システムになるだろう。しかし、欠場となった場合は、他の選手をボアテングの代わりに当てるだけではリスクが高く、別の戦法と組み合わせで補う必要が出てくるのだ。
そうした指揮官の考えが現われたイタリア戦では、対人に強い3CBで中央の守りを厚くするだけではなく、同時に守備的な選手を多めに起用することで生じるチーム全体のビルドアップ力の低下を防ぐために、ゲームコントロール能力の高いエジルとクロースをダブルボランチに起用。この采配が見事に的中した。
ポジションを一つ下げたエジルはクロースと絶妙な距離感を保ちながら、テンポの良いパスワークで攻撃陣をリード。先制ゴールの場面ではそのエジルから右サイドのミュラーへのタイミングのいいダイレクトパスが起点となり、最後はクロースが正確な右足シュートでジャンルイジ・ブッフォンの牙城をあっさりと崩したのだ。
もちろん、全てが上手くいったわけではない。本来ボランチは一人が自陣に残り、ボールロスト時に備えるものだが、この試合では二人が同時に上がってしまうシーンが散見した。
そうした時にはムスタフィがポジションを上げてアンカーの役割を果たすのだが、連携が乱れて、危ない場面を作られそうになったのは事実だ。本戦仕様にするためにはより洗練させる必要があるだろう。だが、ボアテング欠場時、あるいはゲーム終盤に1点が必要な場面でのオプションとして、ある程度の手応えは掴めたはずだ。
アントニオ・リュディガー、スコドラン・ムスタフィ、マッツ・フンメルスが3バックを形成し、その前にセバスティアン・ルディ、メスト・エジル、トニ・クロース、ヨナス・ヘクターが並び、最前線にはトーマス・ミュラー、マリオ・ゲッツェ、ユリアン・ドラクスラーが入ったのだ。ではなぜ、レーブは3バックを選択したのか――。
守備の要で、現在負傷離脱中のボアテングがEURO本番に間に合えば、これまで通りの4バックが基本システムになるだろう。しかし、欠場となった場合は、他の選手をボアテングの代わりに当てるだけではリスクが高く、別の戦法と組み合わせで補う必要が出てくるのだ。
そうした指揮官の考えが現われたイタリア戦では、対人に強い3CBで中央の守りを厚くするだけではなく、同時に守備的な選手を多めに起用することで生じるチーム全体のビルドアップ力の低下を防ぐために、ゲームコントロール能力の高いエジルとクロースをダブルボランチに起用。この采配が見事に的中した。
ポジションを一つ下げたエジルはクロースと絶妙な距離感を保ちながら、テンポの良いパスワークで攻撃陣をリード。先制ゴールの場面ではそのエジルから右サイドのミュラーへのタイミングのいいダイレクトパスが起点となり、最後はクロースが正確な右足シュートでジャンルイジ・ブッフォンの牙城をあっさりと崩したのだ。
もちろん、全てが上手くいったわけではない。本来ボランチは一人が自陣に残り、ボールロスト時に備えるものだが、この試合では二人が同時に上がってしまうシーンが散見した。
そうした時にはムスタフィがポジションを上げてアンカーの役割を果たすのだが、連携が乱れて、危ない場面を作られそうになったのは事実だ。本戦仕様にするためにはより洗練させる必要があるだろう。だが、ボアテング欠場時、あるいはゲーム終盤に1点が必要な場面でのオプションとして、ある程度の手応えは掴めたはずだ。