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町田・黒田監督の下でさらに成長を加速。J1でどこまでやれるか――その先の“大舞台”に繋げるために【パリの灯は見えたか|vol.6 藤尾翔太】

カテゴリ:連載・コラム

松尾祐希

2024年02月22日

「悩みました。こんなにすぐに外に出てもいいのか」

さらに成長するために。町田は強度の高さを忘れさせない環境だった。写真:松尾祐希

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 もちろん、葛藤はあった。リーグ開幕直後の移籍。逃げるようにチームを去っていいのか自問自答を繰り返したという。

「悩みました。こんなにすぐに外に出てもいいのか。もうちょっと勝負してもいいんやないか。それでもダメだったら出ていこうとか。でも僕の中で、試合に出られずにずっと練習をしているよりも、J2で試合に出て自分の価値を証明したほうが、成長につながるし、ステップアップにもなると思った」

 成長のために選んだ新たな環境。もちろん、1年後に控えていたパリ五輪を考えての移籍でもあった。

「オリンピックを目ざす選手たちがみんな試合に出ているなかで、自分だけ試合に出ていないとなれば、コンディションも上がらないし、周りが成長しても自分は止まったまま。それは良くないという思いがかなりあった」

 そうした想いを持って向かった先はJ2の町田。青森山田高を常勝軍団に育て上げた黒田剛監督の下で、さらなる成長を目ざした。この決断が藤尾にとって、成長スピードを加速させる契機になる。

「強度が高い。去年までも強度を感じながらプレーしていたけど、また違うモノがあったんです。パリ五輪世代のチームで海外遠征した際にオランダやイングランドといった強豪国と戦いましたが、行く度に強度を感じるんです。
 
 でも、簡単ではない。ユース時代から海外遠征を経験して、そこで得たモノを踏まえて高い意識を持とうと心がけるんですけど、続くのは1、2週間ぐらい。環境が違うので、時間が経つにつれて日本の環境に慣れてしまう。

 忘れた頃にまた海外に行って、気持ちを新たにするけど、また忘れるサイクルでしたから。その経験を踏まえて継続しないといけないけど、昨季は自分の中でちょっとずつ変わってきて、うまくいくようになったんです」

 そうした強度の高さを忘れさせない環境が町田にはあった。3月に加入してからミッチェル・デュークやエリキの影に隠れて途中出場が続いたが、徐々に黒田監督が求めているスタイルを体現できるようになる。

 そして、迎えた7月9日の東京V戦。2023年シーズンで4度目の先発に抜擢されると、開始2分にこぼれ球を押し込んで先制点をもぎ取った。最終的にチームは2−2でドローに終わったが、大きな手応えを感じる一戦だったという。

「黒田さんがやりたいサッカーを理解し始めていたタイミングで、うまく順応できたと感じられた。高体連に近いサッカーで、強度が求められるだけではなく、プレーの連続性も必要になる。ボールが来る回数も多いし、センターバックから難しいボールがくることも多いので、それを収められるようになれば、自分の武器になると思ったので意識的に頑張りましたね」
 
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