今では東京屈指の憧憬の的に
2023年度の堀越は、状況的にはあと一歩で選手権出場を逃した2019年度に似ていた。確かに数少ない3年生は、重要な役割を果たした。主将の中村は、5試合全てで攻守に身体を張り走り続け、何より貴重なゴールに直結するプレーで違いを見せつけた。
東京都予選を終えた時「健太が、というより、みんなで勝ち取った」と振り返った佐藤監督も、本大会を通して「責任感を持ち大きく伸びている」と手放しの評価を与えた。
また最終ラインの4人とアンカーも含めた後方5人を2年生が占めるなかで、長身GKの吉富は安定したフィード、状況判断、ハイボールの処理等で不可欠の存在感を放った。さらに早くからゲームに絡み続けて来た吉荒や最前線の高谷遼太も経験値を活かし、与えられた役割を的確にこなした。
しかし反面、全員が2年生のDFは大崩れすることもなく堅守を支え、特に大会優秀選手にも選ばれた森奏は、勝負どころではFWとしても重要な貢献を見せた。また準決勝では前半で力尽きたが、千葉県から遠距離通学を続ける仲谷俊は、最前線で守備のスイッチを入れながら、常に決定的な仕事に絡む嗅覚と技術を備えている。
さらに準決勝後半開始からは、1年生の三鴨奏太と谷口悠成がピッチに立ち、反撃を仕掛けるチームの中で物怖じすることなく堂々とプレーした。
卒業していく副主将の吉荒も「3年生のメンバーが少ないなかで、1~2年生の存在はものすごく大きかった」と多大な貢献を認める。
そしてそれを踏まえたうえで、守護神の吉富は「1~2年生には本当に良い経験をさせてあげられた」ことに充実感を覚えつつ「でも自分たち3年生の代は、あまり強くなくて後ろから支えることが多かったけれど、彼らにもその恩やそういう役割もあることを忘れず、サッカー以外の部分でも頑張ってほしい」とエールを送った。
東京都予選を終えた時「健太が、というより、みんなで勝ち取った」と振り返った佐藤監督も、本大会を通して「責任感を持ち大きく伸びている」と手放しの評価を与えた。
また最終ラインの4人とアンカーも含めた後方5人を2年生が占めるなかで、長身GKの吉富は安定したフィード、状況判断、ハイボールの処理等で不可欠の存在感を放った。さらに早くからゲームに絡み続けて来た吉荒や最前線の高谷遼太も経験値を活かし、与えられた役割を的確にこなした。
しかし反面、全員が2年生のDFは大崩れすることもなく堅守を支え、特に大会優秀選手にも選ばれた森奏は、勝負どころではFWとしても重要な貢献を見せた。また準決勝では前半で力尽きたが、千葉県から遠距離通学を続ける仲谷俊は、最前線で守備のスイッチを入れながら、常に決定的な仕事に絡む嗅覚と技術を備えている。
さらに準決勝後半開始からは、1年生の三鴨奏太と谷口悠成がピッチに立ち、反撃を仕掛けるチームの中で物怖じすることなく堂々とプレーした。
卒業していく副主将の吉荒も「3年生のメンバーが少ないなかで、1~2年生の存在はものすごく大きかった」と多大な貢献を認める。
そしてそれを踏まえたうえで、守護神の吉富は「1~2年生には本当に良い経験をさせてあげられた」ことに充実感を覚えつつ「でも自分たち3年生の代は、あまり強くなくて後ろから支えることが多かったけれど、彼らにもその恩やそういう役割もあることを忘れず、サッカー以外の部分でも頑張ってほしい」とエールを送った。
もっとも、堀越にはすでに周りを見て相手の気持ちを読み取り、想いや責任を力に変えていく伝統が築かれつつある。上級生が未来を見据えたチーム作りをして、卒業後も励ましに足を運ぶ。そんな様子を見て佐藤監督は「ファミリーのようだ」と微笑む。
かつて佐藤監督は有望な素材を抱えるジュニアユースのクラブを訪問すると、及び腰で頭を下げてきた。
「ウチも滑り止めで構わないので考えて頂ければ...」
しかし、そんな堀越サッカー部が、今では東京屈指の憧憬の的に変わりつつある。
「日本一魅力的なチームで日本一を」
佐藤監督の夢想は、本当に実現へと近づいている。
「ホリコシ、頑張れ~!」
1月6日、東京・国立競技場のスタンドでは、多くのサッカー小僧たちが声をからしていた。
取材・文●加部究(スポーツライター)
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しかし、そんな堀越サッカー部が、今では東京屈指の憧憬の的に変わりつつある。
「日本一魅力的なチームで日本一を」
佐藤監督の夢想は、本当に実現へと近づいている。
「ホリコシ、頑張れ~!」
1月6日、東京・国立競技場のスタンドでは、多くのサッカー小僧たちが声をからしていた。
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