［高校選手権 準決勝］近江（滋賀） ３－１ 堀越（東京A）／１月６日／国立

　副キャプテンの役割を、最後まで全うした。

　第102回選手権の準決勝で、堀越は近江に１－３で敗戦。無念の敗退となった一戦で、アンカーでスタメン出場したMF吉荒開仁はハーフタイムに退いた。

　チームは前半、非常に厳しい戦いを強いられた。11分に先制点を献上すると、13分にもゴールを割られる。さらに、22分にも失点し、３点ビハインドとなった。

　堀越は、キャプテンの中村健太が選手起用やシステム変更などを決める“ボトムアップ方式”を採用している。近江戦では、ハーフタイムにシステム変更と副キャプテンである吉荒の交代を決断した。

　試合後に取材に応じた吉荒は、自身の交代について、監督の指示ではなく、「健太の判断でした」と説明した。
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　早い時間での途中交代。悔しい気持ちがあっただろう。そう話を振ると、吉荒は次のように応じる。

「明らかに、前半は上手くいってなかったです。流れを変えるための交代で、自分でも代わったほうが良いと思っていました。それを分かったうえで代わったので、悔いがないというか、健太を信頼しているからこその交代でした」

　そして、中村への敬意を語る。

「キャプテンと副キャプテンという関係のなかで、結構、サッカーの話をしていて。キャプテン一人では上手くいかないこともありますし、陰で支えることはできたと思います。健太がいなかったら、ここまでチームが来れていないですし、今は本当に感謝しかないですね」

　自身は、“ボトムアップ”によって成長できた。視野が広がったと振り返り、「周りに気を遣えるようになったと自分でも思うし、周りからも言われます」という。

　卒業後は、東京経済大でサッカーを続ける。現時点では将来のプロ入りは視界に入っておらず、「この経験を活かして、サッカーを楽しんで、たくさんの人たちに恩返ししていきたいです」と前を見据えた。

取材・文●野口一郎（サッカーダイジェストWeb編集部）

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