結果を出せばプライドが生まれる
さらにボトムアップ方式による堀越の利点は、客観評価の徹底だったかもしれない。一人の監督が全体を指揮するトップダウン型なら「最近頑張っている」とか「心を入れ替えた」など微妙な心情が割り込む余地もあるだろう。
しかし堀越では、同じピッチで一緒にトレーニングを続ける仲間の見解が総括されるので、メンバー選考のポイントは「誰をどう活かせば勝利に繋がるか」に集約される。
その結果、東京都予選の決勝では2年生7人がスタメンを占め、全国の舞台に進んでも3年生の伊藤蒼太がレギュラー入りを果たす一方で、9人のベンチ入りメンバーは3年生が2人に止まることが多く、逆に準決勝でも4人の1年生がサブに入った。
「経験年数が2年と3年で同じ実力なら(使うのは)前者。だってオレたち何のためにやっているの? という部分がはっきりと共有されているから、その辺はすごくドライです。僕にはマネが出来ないかもしれませんね」
そう苦笑する佐藤監督は、実際過去にも「本当にこのメンバーでいいの?」とキャプテンに問いかけたことがあるが「僕らがみんなで決めたことなので」と突き放されている。
しかし堀越では、同じピッチで一緒にトレーニングを続ける仲間の見解が総括されるので、メンバー選考のポイントは「誰をどう活かせば勝利に繋がるか」に集約される。
その結果、東京都予選の決勝では2年生7人がスタメンを占め、全国の舞台に進んでも3年生の伊藤蒼太がレギュラー入りを果たす一方で、9人のベンチ入りメンバーは3年生が2人に止まることが多く、逆に準決勝でも4人の1年生がサブに入った。
「経験年数が2年と3年で同じ実力なら(使うのは)前者。だってオレたち何のためにやっているの? という部分がはっきりと共有されているから、その辺はすごくドライです。僕にはマネが出来ないかもしれませんね」
そう苦笑する佐藤監督は、実際過去にも「本当にこのメンバーでいいの?」とキャプテンに問いかけたことがあるが「僕らがみんなで決めたことなので」と突き放されている。
こうして独自の部活動が軌道に乗り、結果が上乗せされていくとプライドが生まれる。堀越は2020年度に29年ぶりの選手権出場を果たすわけだが、その前年度の主将・坂本琉維(現順天大)は、1学年下に優秀な選手が揃っていることを踏まえて将来への布石を打った。
「もともと実力的にも2年生が半分くらいレギュラー」という状況だったが、各学年のリーダーから意見を募り、カテゴリー間の交流戦を増やして調子の良い選手たちに積極的にチャンスを与えられる仕組みを用意した。上級生が幅を利かせる旧弊をことごとく断ち切り、学年間の壁を取り払ったのも坂本だった。
結局、坂本が主将を務めた2019年度の選手権東京都予選では、準決勝で帝京に1点差の惜敗をするのだが、「3年生以上に抜擢されて戦った2年生のほうが悔しがっていた」(蔵田コーチ)という。こうして2年生たちは、この悔しさを糧に翌年全国への扉を開いた。
「自分がキャプテンになるからには、将来のために何かを残したい」
そう誓った坂本は、後輩たちの快挙を我がことのように喜び、下級生たちは上級生の意を汲み責任を全うした。上意下達とは真逆の学年を超えた信頼関係は、その後も継続され、今年度もOBたちが入れ替わり母校へ足を運び「みんなのやっていることは間違いない。続けて行けば絶対に大丈夫だから」と、接点のない後輩たちの背中を押し続けた。
【選手権PHOTO】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新19代目の藤﨑ゆみあまで「歴代応援マネージャー」を一挙公開!
「もともと実力的にも2年生が半分くらいレギュラー」という状況だったが、各学年のリーダーから意見を募り、カテゴリー間の交流戦を増やして調子の良い選手たちに積極的にチャンスを与えられる仕組みを用意した。上級生が幅を利かせる旧弊をことごとく断ち切り、学年間の壁を取り払ったのも坂本だった。
結局、坂本が主将を務めた2019年度の選手権東京都予選では、準決勝で帝京に1点差の惜敗をするのだが、「3年生以上に抜擢されて戦った2年生のほうが悔しがっていた」(蔵田コーチ)という。こうして2年生たちは、この悔しさを糧に翌年全国への扉を開いた。
「自分がキャプテンになるからには、将来のために何かを残したい」
そう誓った坂本は、後輩たちの快挙を我がことのように喜び、下級生たちは上級生の意を汲み責任を全うした。上意下達とは真逆の学年を超えた信頼関係は、その後も継続され、今年度もOBたちが入れ替わり母校へ足を運び「みんなのやっていることは間違いない。続けて行けば絶対に大丈夫だから」と、接点のない後輩たちの背中を押し続けた。
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