「種まきをして、ここから去れたとは思う」
MF矢田龍之介(清水ユース)に対しても同様。初戦で出場機会を得られず、2戦目も7分間の出場に止まったボランチとも個別で話す場を設けている。2戦目の試合前日と翌日に長めに話し、現状を整理しつつ必要なことを伝えた。
自信がなければ、自信を得られる環境を作る。サッカーを知らなければ、サッカーを教える。勝負の厳しさが分からなければ、勝負の厳しさを味わえる場を作る。
そうした細やかな指導が森山監督の真骨頂。時には厳しい言葉も投げかけ、必要な時に手を差し伸べてきた。
ピッチ外でもそれは変わらない。サッカー選手として戦うための心構えを説き、日本の環境がいかに恵まれているかを伝えてきた。この先、厳しい環境で戦うことを余儀なくされ、衛生面で苦しむ局面はいくらでも訪れる。そうした経験も必要だと話し、解決策を提示してきた。
最たる例が、タイで行なわれたU-17アジア杯。東南アジア特有の問題に悩まされ、お腹を壊す選手が続出。まともな状況で試合に臨めなかったが、そうした経験が今回のW杯でも生きた。
バリ島で行なった直前合宿の終盤に数名の選手が同じ症状を訴えたが、ほとんどの選手がタイでの経験を活かして事なきを得ている。歯を磨く際もミネラルウォーターで口をすすぐなど、徹底した衛生管理で戸惑わずに大会開幕を迎えられた。
自信がなければ、自信を得られる環境を作る。サッカーを知らなければ、サッカーを教える。勝負の厳しさが分からなければ、勝負の厳しさを味わえる場を作る。
そうした細やかな指導が森山監督の真骨頂。時には厳しい言葉も投げかけ、必要な時に手を差し伸べてきた。
ピッチ外でもそれは変わらない。サッカー選手として戦うための心構えを説き、日本の環境がいかに恵まれているかを伝えてきた。この先、厳しい環境で戦うことを余儀なくされ、衛生面で苦しむ局面はいくらでも訪れる。そうした経験も必要だと話し、解決策を提示してきた。
最たる例が、タイで行なわれたU-17アジア杯。東南アジア特有の問題に悩まされ、お腹を壊す選手が続出。まともな状況で試合に臨めなかったが、そうした経験が今回のW杯でも生きた。
バリ島で行なった直前合宿の終盤に数名の選手が同じ症状を訴えたが、ほとんどの選手がタイでの経験を活かして事なきを得ている。歯を磨く際もミネラルウォーターで口をすすぐなど、徹底した衛生管理で戸惑わずに大会開幕を迎えられた。
世界の舞台ではまたしても壁に阻まれ、3大会連続でラウンド16敗退に終わった。もっとも、得たものは決して小さくない。
「やれるという手応えを植えつけられたかなと。種まきをして、ここから去れたとは思う。ただ、栄養を与えて、肥料とか水をあげて育てるのは自分自身でしかない。この悔しさをワールドカップでしか晴らせないというところで、自分で掴むまで成長してほしい」
右も左も分からなかった選手たちに一から関わり、世界で戦う術を伝えた。目標としていた「ファイナリスト」にはなれなかったが、勇気を持って戦えば強豪国と互角に渡り合える――その自信を選手に植えつけた。
中2日の連戦に耐える強度や選手層の厚さなど、解決できなかった課題はある。だとしても、現在地と世界の基準を真剣勝負の場で知ることができたのは、選手にとって財産だ。
「やれるという手応えを植えつけられたかなと。種まきをして、ここから去れたとは思う。ただ、栄養を与えて、肥料とか水をあげて育てるのは自分自身でしかない。この悔しさをワールドカップでしか晴らせないというところで、自分で掴むまで成長してほしい」
右も左も分からなかった選手たちに一から関わり、世界で戦う術を伝えた。目標としていた「ファイナリスト」にはなれなかったが、勇気を持って戦えば強豪国と互角に渡り合える――その自信を選手に植えつけた。
中2日の連戦に耐える強度や選手層の厚さなど、解決できなかった課題はある。だとしても、現在地と世界の基準を真剣勝負の場で知ることができたのは、選手にとって財産だ。