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【EURO2016開催地を巡る旅】第1回:サンドニとスタッド・ド・フランス「フランスを象徴する聖地」

カテゴリ:国際大会

結城麻里

2016年02月16日

初の世界制覇の舞台となり「フランス・フットボールの聖地」に。

自国開催の98年W杯では、スタッド・ド・フランスでの決勝でブラジルを撃破して同国史上初の世界制覇。国民は歓喜に酔いしれた。(C)Getty Images

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 そして、スタッド・ド・フランスは、“青のフランス”の象徴でもあります。レ・ブルー(青)の愛称で親しまれるフランス代表のホームスタジアムだからです。いまや「フランス・フットボールの聖地」と言ってもいいでしょう。冒頭に紹介したフレーズの由来も、そこにあります。
 
 1998年7月12日のワールドカップ・フランス決勝。誰も予想できなかった快進撃でファイナルに駒を進め、スタッド・ド・フランスで前回王者ブラジルと激突したレ・ブルーは、ジネディーヌ・ジダンのヘッドで先制すると、同じくジダンが頭で2点目を突き刺し、最後にエマニュエル・プティがダメ押しゴール。巨大な歓喜に酔いしれた国民は、あるフレーズを編み出して叫びました。
 
「エ・アン、エ・ドゥ、エ・トロワ・ゼ~ロ~!」(ほんでもって1、ほんでもって2、ほんでもって3-0!)
 
 フランスが史上初めてワールドカップ優勝を飾った瞬間でした。パリの凱旋門にはこの夜、英雄となったジダンの顔が映し出され、世界一美しい大通りと呼ばれるシャンゼリゼ通りは翌日、ナチス・ドイツからのパリ解放以来となる100万人の人々で埋め尽くされたのです。
 
 当時は「ブラック・ブラン・ブール(黒・白・アラブ)」という言葉も大流行しました。リリアン・テュラムやマルセル・デサイーが体現するブラック、ディディエ・デシャンやロラン・ブランが体現するブラン、ジダンが体現するブール(アラブの別称)――。多民族融合国家のフランスが、ついに人種差別や肌の色の違いを乗り越えて、ひとつになった瞬間だったのです。

 このスタッド・ド・フランスのもうひとつのハイライトは2013年11月19日。当時、2014年のブラジル・ワールドカップの欧州予選を戦っていたフランスは、スペインにグループ首位の座を奪われ、ウクライナとのプレーオフに回りました。アウェーの第1レグを0-2で落とし、絶体絶命の危機に。ヨーロッパ予選のプレーオフ史上、第2レグでこのスコアを覆した例は過去にひとつもありませんでした。
 
 ところがスタッド・ド・フランスにウクライナを迎え撃ったレ・ブルーは、吐き気がするほど緊迫した会場で3-0とスコアを引っ繰り返し、本大会出場の切符をもぎ取ったのでした。このときも観衆からはもちろん、「エ・アン、エ・ドゥ、エ・トロワ・ゼ~ロ~!」の掛け声が起こりました。
 
 EURO2016でこのフレーズが聞けるかどうかは試合結果次第。いずれにしても、スタッド・ド・フランスはいまも、レ・ブルーとブラック・ブラン・ブールの象徴なのです。
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