【名古屋】プレシーズン3連敗の”小倉グランパス”が、それでも手応えを得ている理由

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2016年02月15日

5、6人がペナルティエリアに迫る果敢な攻撃を披露。

新加入の明神は89分に途中出場。古巣との対戦にモチベーションは高かった。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 そして、連動性を持ってムービングするチームを操ったのが、新キャプテンの田口であるのは言うまでもない。

 前述したように、後半から前線の選手との距離感を縮め、中盤の守備も相棒のイ・スンヒと上手くバランスを取った。昨季よりも前方でゲームメイクやリズムメークに力を発揮し、緩急をつけつつ、正確なダイレクトパスで最終局面へつなげていた。前線の4枚(1トップ、トップ下、サイドハーフ2枚)と田口が円滑にパスを回すことで、サイドバックのオーバーラップも促進され、後半の攻撃は常に5、6人がペナルティエリアに迫る勢いをもったことは特筆すべき現象だ。
 
 パスの質、パススピード、パスの出し手と受け手が次の展開を考えて動くこと、サイドバックが高い位置をとってスイッチを入れること。それらがスピード感とアイデア、リズムを持って表現された後半の出来を指揮官は「ベースのベース」と謙遜したが、内心では手応えを感じたに違いない。
 
 いまだ対外試合での勝利がない名古屋だが、吹田で展開したサッカーは方向性の正しさを証明するものとなったはず。田口は「結果が出ていないのは一番良くないけど、楽しみになってきた」と目を輝かせた。新たなグランパスのスタイルは、着実に形になってきていると感じられた試合だった。
 
取材・文:今井雄一朗(スポーツライター)
 
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