【名古屋】見えてきた“小倉カラー”。60分余りの練習の中に独自の哲学、こだわりも

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2016年01月29日

全体を俯瞰する時間を取るため、練習の担当は分業制に。

チーム始動から少しずつ独自の色を出し始めた小倉新監督。果たして、どんなチームに仕上げてくるのか。(C) N.G.E

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“新米監督”によるチーム作りは少しずつ、しかし着実に進められている。
 
「テクニカル」「共感」「スマートさ」の3つのキーワードと、それらを統べる「5人目まで連動するサッカー」というチームコンセプト。小倉隆史GM兼監督の確固たる哲学の下に組み立てられた指導論とトレーニング方法は、今のところ選手にも好意的に受け入れられているようだ。
 
 一体どんな指導者なのか――。監督就任1年目の小倉GM兼監督について、誰もが思ったことだろう。解説者としてのキャリアは10年選手だが、指導経験は年代別や育成に間口を広げてもゼロ。それゆえに実際の指揮を不安視する声もあったが、蓋を開けてみればまずまず順調な出だしという印象だ。
 
 例えば経験の少なさをカバーすべく、ヘッドコーチにはヨーロッパでは知る人ぞ知る育成のビッグネーム、ステンリー・ブラード氏を招聘。彼を含めたコーチングスタッフと、監督がそれぞれの得意分野のメニューを担当する分業制を敷いている。
 
 ウォーミングアップは菊池忍フィジカルコーチ、その後の基礎的なトレーニングをステンリーヘッドコーチや島岡健太コーチが担当し、戦術練習は小倉GM兼監督の持ち分である。
 
「その方が、自分が全体を見る時間ができるからね」とは小倉GM兼監督の言だが、これは妙手。練習メニューを俯瞰していることで時に厳しく、時にコミカルに選手への声かけをすることができ、練習中の雰囲気は常に程よい緊張感が漂っている。
 
 また、練習時間の短さも特徴的だ。ミーティングなどで長引いた始動日を除いて90分を超えることはまずなく、ここまでは60分程度で終わることの方が多いぐらい。
 
「自分自身、ダラダラしているのが好きじゃないし、集中が続く時間というものもある」と、指揮官は量より質を追求しており、選手たちも「すごくコンパクトな練習だし、分かりやすくて集中もしやすい」(磯村亮太)と歓迎している。
 
 もちろん、短い時間ながらも練習の強度は保たれており、時に走り込み中心のメニューで体力強化を図るセッションがあることも。しかし全体の時間はコンパクトに抑えられるため、選手のストレスはそれほど大きくはない様子だ。
 
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