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ミラン番記者の現地発・本田圭佑「主力に返り咲いたのは事実。ただ、夏に向けて残留濃厚とは言い切れない」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2016年02月10日

ミランには不確定要素が多数。本田の去就もそれらに左右される。

昨年6月、ミランの株式48パーセントの譲渡で基本合意したベルルスコーニ(左)とタエチャウボル(右)。しかし、後者が資金作りに苦心し、いまだ正式調印できていない。(C)Getty Images

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 また、クラブの財政状況も無視できない。昨年6月に基本合意したビー・タエチャウボルへのクラブ株式売却は、いまだ正式決定していないのだ。オーナーのシルビオ・ベルルスコーニは「彼との取引はまだ決裂していない」と語っているが、ここにきて中国やアラブの資本との株式売却交渉が囁かれている。
 
 フィニンベスト(ベルルスコーニ保有のミランの持ち株会社)の資金だけでは、もはや補強もままならない。ミラニスタはこの冬にも陣容のテコ入れを期待していたし、私もセントラルMFに実力者を迎えるべきだと考えていたが、実際に加入したのはシャルケと契約解除してタダで獲得できたケビン=プリンス・ボアテングが加わっただけだった。
 
 ルイス・アドリアーノの江蘇蘇寧行きが土壇場で破談となり、強化資金が得られなかったこともあり、むしろスソやアレッシオ・チェルチ(いずれも→ジェノア)、ナイジェル・デヨング(→LAギャラクシー)など余剰人員の整理に力を注いだのだ。
 
 こんな状況下にあるため、夏には向けては、「次のメルカートでは別資本からの投資があるのか?」、「それともまたフィニンベストだけで補強をしなければいけないのか?」、「右サイドの選手を獲得するのか?」、「システムはずっと4-4-2なのか?」など、現時点では答えようがない不確定要素が渦巻いている。それらの答が出たときになってはじめて、本田のより明確な将来も見えてくることだろう。
 
 この冬にミランは前述した通りチェルチを放出したが、代役を補強しなかった。少なくとも現時点では、本田を信頼しているからだろう。唯一の新戦力となったボアテングはいまのところ、右サイドよりもセカンドトップや左サイドでより多く起用されている。
 
 いまの本田にできることは、レギュラーとしてコンスタントに出場し、結果を残し続けること。とりわけミハイロビッチの言う通り、セリエAでは1年4か月も遠ざかっている「ゴール」が何よりも求められる。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
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