• トップ
  • ニュース一覧
  • ミラン番記者の現地発・本田圭佑「活躍とは裏腹に、ミハイロビッチとの関係は冷めきったまま。“舌戦”はこれからも……」

ミラン番記者の現地発・本田圭佑「活躍とは裏腹に、ミハイロビッチとの関係は冷めきったまま。“舌戦”はこれからも……」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2016年02月03日

2人の“舌戦”はこれからも続くだろう。

先制点をアシストし、守備でも大きく貢献。デルビーで本田は己の価値を証明した。(C)Getty Images

画像を見る

 もちろん、いくら褒められても本田はベンチ暮らしを強いられた日々を忘れはしないし、ミハイロビッチも本田が不平を漏らしたことを忘れないだろう。しかし、それもサッカーの一部であり、前述した通り同じ目標に向かっている限り大きな問題にはならない。
 
 とにかく今の本田は、ミランのプレーの中心にいる。デルビーの流れを大きく左右した重要な先制点(アレックスのヘディングシュート)は、本田の今シーズンで6本目(セリエAとコッパ・イタリアで3つずつ)となるアシストから生まれた。完璧で、そして計算尽くされたクロスで、これほどのアシストは最近のミランでは滅多にお目にかかれない。
 
 加えてデルビーの本田の働きは、それだけではなかった。チームのために身を粉にして走るなど、守備も決して疎かにしなかったのだ。
 
 まさにミハイロビッチの好む命令に忠実な“兵士”である本田だが、同時に必要とあれば自分の意見をしっかりと主張する。最近ではデルビー前に「自分はスピードのあるウイングではない。あくまで自分に適したポジションはトップ下だが、今のポジションも受け入れたし、すでに慣れた」とコメントした。
 
 すると、この発言が出回った翌日にミハイロビッチは、「彼自身が自分にサイドでプレーする才能がないと言うなら、本田はベンチだね」と切り返した。しかしその後、すぐに真面目な顔をしてこう語った。
 
エンポリ戦(1月23日)での本田の態度は好きではなかった。ほんの少し頭を怪我しただけで、彼はその後の空中戦を放棄してしまった。あんな怪我でその後のプレーを左右してはいけない」
 
 このコメントからも、2人の価値観の違いがよく分かるだろう。
 
 ちなみに、デルビー前に本田は「ミランはまだ明確な自分たちのプレーを手に入れていない」ともコメントしている。これは監督にとって、あまり嬉しくない言葉だろう。
 
 本田とミハイロビッチの“舌戦”はこれからも続くだろう。しかし、選手と監督は必ずしも親友同士になる必要はない。仲が悪くても、“仕事”はできるのだ。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
【関連記事】
【ミラン 3-0 インテル|採点&寸評】MOMは決定的な仕事をしたニアング。本田、クツカ、モントリーボも同等の貢献度だ! インテル勢はほとんどが及第点以下…
【戦術アナリストが大予測】「ペップ・シティ」はこうなる! 理想の新戦力はピケ、アラバ、ギュンドアンだ!
【旧知の記者が激白】ペップはなぜシティを選び、なぜ3年契約だったのか?
【冬のメルカート最終日】セリエAで決定した主な移籍|人気銘柄だったペロッティがローマ加入! クアリアレッラ、レジーニ、ベナルアンも新天地へ!
【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「アバーテなどから賞賛の声が挙がる一方で、チームと同じ決定的な難点を抱え……」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ