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「そろそろ勝たないと、鹿島そのものが根底から覆る」“20冠”を知る鈴木満が見据えるアントラーズの進むべき道

カテゴリ:Jリーグ

渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

2023年05月12日

海外移籍の増加でチーム編成に変化。打開策は育成と移籍

98年には常勝軍団の中核をなす黄金世代のルーキーたちが加入。写真は左から曽ケ端、中田、小笠原、本山。(C)J.LEAGUE

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――そんな黄金世代も現役を退き、しばらく経ちます。近年のJリーグをどう見ていますか?

「これまでJリーグは共存共栄で進んでいましたが、2017年にDAZNと契約して、競争意識を強めています。同時に2010年以降、特に15、16年あたりから、選手たちの海外移籍も活発化してきました。

 以前は、20歳そこそこでレギュラーになったら、その後10年間は主力で、というチーム作りのスパンがありました。その年のチームと併せて、3年後にどうなっていくかまでを意識すればチーム作りができました。しかし、若手を育てても、主力になっていてほしい選手が3、4年後には抜けてしまう。そんな時代になり、チーム編成や強化の仕方が変わってきています」

――Jリーグでトップを走ってきたからこそ、他クラブに先立ってその問題に直面しました。

「解決策としては、アカデミー強化と移籍での選手獲得をハイブリットでやろうと考えています。選手が抜けても次々と新しい選手が出てくる環境にすべく、アカデミーをより強化していく方針です。しかし、アカデミーの強化にはある程度、時間がかかるので、それだけでは補えません。

 次に活用したいと考えたのは移籍です。鹿島はそれまで移籍市場でほとんど他所から主力を取っていませんでした。そのため、他チームを見るスカウトの強化にも力を入れています。

 そうやって獲得した選手を育成していくことが次のステップです。選手育成は、例えば他のチームに選手をレンタルしながら、出場機会を確保して、そのポジションの選手が必要になった場合は、すぐに補えるような体制が理想です」

――具体的に取り組んでいることはありますか?

「入れ替わりの早さに対応するためにも、チームのサッカーそのものを、もう一度しっかりと定めていく必要があります。チームのスタイルが明確なら、どういうポジションでどんなタイプの選手が必要になるかなど、獲得選手のタイプがハッキリします。そうなれば、採用や編成のミスが少なくなるはずです」
 
――知念慶や佐野海舟、藤井智也らの他クラブからの移籍組。昌子源、植田直通、そしてレンタル中だった垣田裕暉らの復帰組。師岡柊生、津久井佳祐らの新卒組と今年の補強は仰るとおりの内容でしたね。

「そうですね。良いバランスになってきていると思います。獲得した選手の多くは、他所で実績を作って完成されたというより、若くてこれからの選手が多く、鹿島の色に染めるというか、育てながら、主力に成長してほしいという思いはあります。

 岩政監督になって、“新しい鹿島”を謳い文句にしながらチーム作りをやってくれています。ただ、まだ固まり切っていないところはあります。けれど、現場と強化部が話し合いながら、こういうサッカーをしたいから、そのためにはこういう選手が必要だと議論を重ねています。

 もっとも、その評価はタイトルを取って初めてなされるもので、編成で良い選手を獲ってきたというだけでは何の評価にもならない。良かったかどうかはもう少し先、結果が出てからですね」

――新スタイルを確立するには時間もかかりそうです。

「優勝を義務付けられているというか、サポーターもパートナー企業も、地域も、鹿島に関わるすべては、タイトルを望んでいますし、タイトルを取らないとあまり評価されなくなっているという実態もあります。18年にACLを制覇してから4年。そろそろ何かしらのタイトルを取らないといけません」

――6節の広島戦(●1-2)後にはサポーターがバスを囲み抗議する場面もありました。

「私の時代にも似たような経験をしましたが、それだけ期待が大きいということでもあります。サポーターたちの気持ちにも応えていかないといけません」

――周囲の期待や、偉大な伝統が重荷やプレッシャーになることはありますか?

「どうでしょうか。私自身は今、違う立場になっています。今までの30年の歴史があっても、同じことをやっていても上手くいかない。勝てていないのは事実ですが、時代の変化や環境の変化にアジャストさせながら、クラブ運営をしなければ、とも考えています」
 
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