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「そろそろ勝たないと、鹿島そのものが根底から覆る」“20冠”を知る鈴木満が見据えるアントラーズの進むべき道

カテゴリ:Jリーグ

渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

2023年05月12日

ジーコの下で選手もフロントもプロの集団に変わった

Jリーグ30周年を記念して、鹿島の歴史を明かしてくれた鈴木氏。写真:梅月智史

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 Jリーグにおいて、最多の20冠を獲得してきた鹿島。強化責任者として、そのすべてに関わってきた“満さん”こと鈴木満氏(現・強化アドバイザー)に、歴史の舞台裏やクラブの歩みを訊いた。30周年の節目を迎えた日本サッカー界の今後に向けて、示唆に富んだ金言の数々をお届けしたい。
※本記事はサッカーダイジェスト2023年5月11日号から転載、一部修正。
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――◆――◆――

――初代の川淵三郎チェアマンからJリーグ加入は「99.9999パーセント無理」と言われた状況から、オリジナル10としてJリーグに加盟しました。まずは、当時のチームの様子を聞かせてください。

「私はチームのコーチだったので、加盟の交渉には立ち会っていません。チーム(前進の住友金属工業蹴球部)は日本リーグ1部と2部を行ったり来たりする状況で、正直オリジナル10に入れるとはあまり考えていませんでした。もちろんクラブが手を挙げたのは知っていましたし、いろんな交渉をしているのは理解していましたが、無理だろうと。当時はそんな思いでした」

――そうした状況を覆してJリーグのオリジナルメンバーになりました。何が要因だったのでしょうか?

「交渉の詳細は分かりません。1万5千人規模のスタジアム建設予定などもありましたが、チームとしてはやはりジーコの存在が大きかったと思います。91年に来日して、日本リーグ2部でも1シーズン戦いました。それでも当時は、ホームタウンのハンデもあるし、チーム力もまだまだ不十分という評価。『ビリになるなよ』と川淵さんに言われていたように、自分たちも中位にいられれば、くらいに考えていたのが正直なところです。

 しかし、ジーコは常に勝利を目ざしていました。一番思い出深いのは、何度も語られているJリーグ開幕直前に行なったイタリア合宿です。ジーコが自分で笛を持って、指揮し始めたあたりから、チームの雰囲気がガラッと変わったんですよ」
 
――実際にどんな変化があったのでしょうか?

「来日後もジーコは一貫してチャンピオンになるという意識でチーム改革に取り組んでいました。まず、選手たちは世界的な名手のジーコを間近で見ることで、プロはこうあるべき、プロとはなんぞやということを実感しました。

 もちろん練習も厳しかったですよ。さらに、練習方法だけでなく、生活も変化が出て、チームにプロ意識が芽生えてきました。一方で、当時は日本にプロサッカークラブがなかったわけですし、どこのクラブもフロントが何をやったら良いか分からない、そんな状況でした。ただ、そこでもジーコがプロのフロントとはどうあるべきか、何をしなければいけないかを示してくれました。

 いち選手としてだけでなく、日本にプロリーグができる、Jリーグのプロジェクトに自分の経験を活かしたい、そんな意欲が高かったのを覚えています。クラブを作り上げていくフロントの側面も果たしてくれました」

――それが今もクラブの伝統として残るジーコイムズの始まりですね。

「勝つためには何をしなければいけないかを口を酸っぱく言われました。その薫陶を受けて、クラブ全体が勝利のためにという意識のもと、勝つことへの執着心、そのための一体感を重視するようになりました」

――そんなチームは、93年の開幕戦で名古屋に5-0で勝利。ジーコもハットトリックの大活躍でした。

「93年の5月15日、ウチは16日か(鹿島の開幕戦は5月16日の名古屋戦)。今振り返っても開幕戦を5-0で勝ったのは大きかったですね。やってきたことが間違いではなかったとクラブ全体で自信を深められました」

――結果、初年度の第1ステージを制しました。

「他クラブもJリーグ発足時はフロントの仕事や役割が分かっていなかったなかで、ウチはジーコがいたおかげで、選手だけでなく、フロントがアマチュアからプロに変わっていくことができた。それが、最初の成功につながったのでしょう」
 
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