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トップ解説者からJ3指揮官へ。未知なる地・岩手に赴いた松原良香が偽らざる本音を吐露「日本サッカー界にも貢献できる」

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2023年04月28日

練習は複数のグラウンドを転々と

ファン拡大も重要な使命。「だからこそ、優勝して上のカテゴリーに行くことが肝心」。(C)IWATE GRULLA MORIOKA

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 指揮官の飽くなき情熱と闘争心がチーム全体にプラスに働いたのだろう。いわては序盤5戦を3勝1分1敗と好発進。和田昌士や宮市剛が得点ランキング上位につけるなど、まずまずの一歩を踏み出した。松原監督自身も3月のJ3月間最優秀監督に選出され、かつてプレーしたクロアチアのメディアにも報道された。これは本人の大きなモチベーションになったようだ。

「第2節(3月11日)の琉球戦に負けたり、第5節(4月2日)の福島戦で退席処分になったりといろいろありますけど(苦笑)、僕は逆境を乗り越えることに魅力を感じるタイプ。選手のマネジメントやスタッフ間での役割分担などを含めて、指揮官の仕事は人間力が問われるんだなと痛感する日々です。

 ウルグアイ代表の名将タバレス前監督も『サッカーで重要なのは創意工夫だ』という名言を残されていましたけど、目の前にあるものをベストな方向に変えていかなければいけない。やるべきことが本当に多いですね」と彼はしみじみと話す。

 ただ、環境的には難しい部分も否めない。専用練習場を持たない、いわては複数グラウンドを転々としながらトレーニングを行なっている。練習試合1つ取ってみても、Jクラブとのゲームを希望するなら仙台、八戸、秋田あたりまで足を延ばさなければならない。さらに温暖な沖縄や九州などに比べると気候的にも厳しい。
 
 本拠地・いわぎんスタジアムの集客にしても、3月25日のホーム開幕・アスルクラロ沼津戦が1843人、4月8日の相模原戦が892人と伸び悩んでいる。小笠原満男のような名プレーヤーを輩出した地域ではあるものの、松原監督が生まれ育った静岡のような圧倒的なサッカー熱があるわけではない。それを地道に掘り起こしていくのも、彼に託された重要タスクの1つなのである。

「地元の方々の応援が多ければ多いほど、選手はエネルギーを得られます。お客さんが2000人、3000人と増えていくように、自分からどんどん発信しなければいけない。勝つことで人々の関心も高まりますし、足を運んでくれる方も増えると思います。だからこそ、優勝して上のカテゴリーに行くことが肝心。自分もここで確固たる居場所を築けるように頑張ります」

 みちのくの地で松原監督はどんな爪痕を残すのか。ここから旋風を巻き起こすべく、彼は「良香イズム」をチーム、そして地域に全力で伝えていく覚悟だ(続く)。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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