「おかえりは、ゴールを決めてから」。ビッグマッチが続く終盤戦に、石原は闘志を燃やす。
いつしか夏が終わり、本格的な秋になっていた10月18日、日本体育大学とのトレーニングマッチで石原は実戦復帰した。75分過ぎに途中出場した後のファーストタッチは、橋本からのパスを負傷した右足でトラップしたプレーだった。
その瞬間、相手DFが背後から石原に乗りかかるような体勢になり、両足で踏ん張ってボールをキープした。見ていて「ドキッ」とした。自分の体重を超える重さが掛かっていたからだ。そんな心配をよそに、石原は平然とプレーした。試合終了間際には、数日前には「まだ怖い」と言っていた右足でのシュートも放っていた。
試合後、最初のワンプレーについて聞いてみた。答は、逆に大きな手応えになったというものだった。
「相手が来ると思っていたから身体が反応した。それで『どれくらい耐えられるか』とは思いましたけど、思ったよりもバランスを取れて、良い確認になりましたね」
それからは、紅白戦を基本に練習を組み立てるペトロヴィッチ監督のトレーニングにも完全合流し、プレーを続けている。公式戦への復帰も果たした今では、石原の長所である、ゴール前で届かなそうなボールに対して足が伸びるプレー、身体を伸ばしてゴールをねじ込むプレーも戻ってきた。100パーセントではないながらも、状態は確実に上がってきている。
宇賀神は「これまで、試合に行く前に必ず『ナオくん(石原)がおいしいところを持っていけるようにするから』と、声を掛けてきた。その状況も作れたし、そうなってくれたら嬉しい」と語る。背番号11の復帰は、チームメートにも勇気を与えている。
復帰戦となった天皇杯ラウンド16の勝利で、浦和の今シーズンは少なくとも12月26日の準々決勝まで続くことになった。11月末から12月にかけての試合は、すべてがタイトルに近いところにあるビッグマッチだ。勝負どころで、石原が試合を決めるようなドラマも待っているかもしれない。
「おかえりは、ゴールを決めてからですね」
そう話す石原に、「おかえり」という言葉を掛けられる日も近いはずだ。
取材・文:轡田哲朗(フリーライター)
その瞬間、相手DFが背後から石原に乗りかかるような体勢になり、両足で踏ん張ってボールをキープした。見ていて「ドキッ」とした。自分の体重を超える重さが掛かっていたからだ。そんな心配をよそに、石原は平然とプレーした。試合終了間際には、数日前には「まだ怖い」と言っていた右足でのシュートも放っていた。
試合後、最初のワンプレーについて聞いてみた。答は、逆に大きな手応えになったというものだった。
「相手が来ると思っていたから身体が反応した。それで『どれくらい耐えられるか』とは思いましたけど、思ったよりもバランスを取れて、良い確認になりましたね」
それからは、紅白戦を基本に練習を組み立てるペトロヴィッチ監督のトレーニングにも完全合流し、プレーを続けている。公式戦への復帰も果たした今では、石原の長所である、ゴール前で届かなそうなボールに対して足が伸びるプレー、身体を伸ばしてゴールをねじ込むプレーも戻ってきた。100パーセントではないながらも、状態は確実に上がってきている。
宇賀神は「これまで、試合に行く前に必ず『ナオくん(石原)がおいしいところを持っていけるようにするから』と、声を掛けてきた。その状況も作れたし、そうなってくれたら嬉しい」と語る。背番号11の復帰は、チームメートにも勇気を与えている。
復帰戦となった天皇杯ラウンド16の勝利で、浦和の今シーズンは少なくとも12月26日の準々決勝まで続くことになった。11月末から12月にかけての試合は、すべてがタイトルに近いところにあるビッグマッチだ。勝負どころで、石原が試合を決めるようなドラマも待っているかもしれない。
「おかえりは、ゴールを決めてからですね」
そう話す石原に、「おかえり」という言葉を掛けられる日も近いはずだ。
取材・文:轡田哲朗(フリーライター)