自身が大切にする「喜び」を、選手にも感じてもらいたいと思っている。

「選手たちがサッカーを楽しめる環境を作るのが一番良い。ただ、私も広島の指揮を任され、選手と一緒にトレーニングできる日々に喜びを感じている。今後は選手の評価をさらに高められるように頑張りたい」

　ちなみに、広島は試合後、すぐピッチで円陣を組む。その理由についてはこう話す。

「ゲームの熱が冷める前に、輪になってフィードバックしたいからです。なので勝利試合後も敗戦後もやっていて、収穫と課題を話す非常に重要な時間です。監督の評価を聞いた選手は次の試合に活かしてくれます」

　このルーティーンは“日本ならでは”のものだ。

「試合後すぐピッチから出る風習がある国ではロッカールームで話していましたよ。Ｊリーグの場合はヒーローインタビュー、ファンへの挨拶、監督記者会見があり、日本では通訳を介する必要もあります。ゲームの熱が冷めないうちにコーチ陣含めて全員が収穫と課題を共有するには、広島では試合直後の円陣が適切だと判断しました」
 

　チームが一丸となってタイトル獲得へと邁進している広島。ラストスパートに向け、重要になるものとは何か。スキッベ監督がその言葉に力をこめる。

「自信ですね。これだけ良いクラブで、良い選手が揃っているから、『もっと自信を持ってサッカーしなさい』と選手たちに言い続けるつもりです。私たちなら、ベストパフォーマンスを見せれば、どんなに強い相手でも勝利できます」

取材・文●志水麗鑑（サッカーダイジェスト編集部）

※本記事は2022年９月８日発売のサッカーダイジェスト本誌から転載。一部加筆・修正。

【PHOTO】不敗神話途切れず！広島開幕戦に来場した“勝利の女神”本田望結さんを特集

【PHOTO】敵地に駆け付け選手を後押しし続けたサンフレッチェ広島サポーターを特集！

【PHOTO】サンフレッチェ広島の歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介！