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「そっとしておいてくれ」38歳で現役を引退したロビーニョ。 性的暴行で実刑となった“元天才ドリブラー”は、自宅で息を潜め…

カテゴリ:ワールド

沢田啓明

2022年07月13日

クラブに抗議が殺到し、わずか6日間でサントスと契約解除

プロとしてピッチに立ったのは、トルコのバシャクシェヒル(写真)が最後。20年8月に退団後、一度はサントスに復帰したが、わずか6日で契約解消に。 (C)Getty Images

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 20年8月にはトルコのバシャクシェヒルを退団して帰国し、10月にまたしてもサントスへ復帰。しかし、性的暴行の容疑者であるかつてのヒーローに世論は厳しかった。女性サポーター、スポンサーからサントスへ抗議が殺到。わずか6日で契約は解消された。
 
 同年12月、イタリアでの第二審は第一審の判決を踏襲。そして今年1月、イタリア最高裁が禁固9年と罰金6万ユーロ(約840万円)を言い渡し、刑が確定した。
 
 イタリア司法当局は、ロビーニョの身柄の引き渡しをブラジル政府へ要求。しかし、ブラジルの憲法はブラジル生まれの自国籍者の外国への引き渡しを認めていない。このため、イタリア司法当局はブラジル政府に自国内での逮捕と服役を求めている。
 
 22年7月初旬の時点でこの要請はまだ実現していないが、「いつ逮捕、収監されてもおかしくない」(国際法専門家)状況にあり、ロビーニョはサントス郊外の自宅で息を潜めて生活している。
 
 ロビーニョのキャリアは、周囲からの大きな期待に十分応えたとは言い難い。それでも、欧州の錚々たるビッグクラブでプレーし、ブラジル代表の一員として二度のW杯に出場。クラブシーンでは公式戦550試合に出場して150得点・90アシスト、代表では100試合に出場して28得点を記録している。非凡な数字と言っていい。だが、私生活上の問題で犯罪者の烙印を押され、これが彼の人生とキャリアをぶち壊してしまった。
 
 ブラジルには、素晴らしい才能を持ちながら、ピッチ外のトラブルで才能を生かしきれなかった選手が少なくない。ロビーニョは、その代表的な例となってしまった。
 
 まだ38歳。すべてが終わったわけではない。罪を償い、更生して、第二の人生を歩んでもらいたい。かつてそのプレーに驚嘆し、胸躍らせた者の一人として、心からそう願っている。
 
文●沢田啓明
 
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
 
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