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【稲本潤一×今野泰幸対談】2022南葛SC、苦戦のワケと関東リーグの難しさ…そして反転攻勢の夏への提言

カテゴリ:特集

伊藤 亮

2022年07月03日

「人工芝だと切り返しや踏み込みも思い切ってできない(稲本)」

ともに日本代表で豊富な経験を持つ二人だが、初めての関東リーグでの戦いに慣れない部分もあるという。

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 これまで南葛SCにやって来た多くのJリーガーが口にした難しさ。それが人工芝と練習時間の問題だ。あらゆる経験を積んでいる2人にとっても、この問題は避けては通れないようだ。

今野 南葛SCのサッカーに順応するのも大変ですが、人工芝に順応するのも大変で。試合会場によっては天然芝の場合もあるので、混乱することもあります。天然芝の場合、どこにボールが飛べばどう弾むか、なんとなく目視で予測できるんです。でも人工芝だとその予測ができない。パスを蹴る前のボールの転がり方も人工芝と天然芝では違ったり。すごく気を遣います。

稲本 昨シーズンまでいたSC相模原は練習場が人工芝だったぶん、自分は今ちゃんより慣れているかもしれない。だけど、公式戦は全部天然芝だったし、天然芝での練習もしていたから、その戸惑いは分かる。人工芝だと切り返しや踏み込みも思い切ってできない。

今野 そうなんです。人工芝は滑らないから踏ん張った瞬間足がひっかかる。これが天然芝だと少し滑るぶん、足への負担が軽減されるんですけど。ターンやアジリティで勝負するタイプの僕にはやっかいな問題です。

稲本 天然芝と同じ感覚でやるとケガをするっていう考えが頭をよぎるよね。そのあたりは本当に難しい。コンディショニングも。

今野 コンディションは知らない間に徐々に慣らしてる感じですかね。でも、火~木に夜練習して金曜日がオフで迎える土曜日の午前中、なぜかめちゃくちゃ身体が重いんです。オフ明けにこんなことになるなんて、これまでなくて。さらにこの土曜日の疲れが日曜日にもちょっと残ったり……。コンディショニングに苦戦してます(苦笑)。

稲本 夜練習になるとリズムがつかみにくくなるのはあって。睡眠時間の確保だったり、食事のタイミングだったり、これまで20年以上続けてきたルーティンがほぼできない。でもそこは人それぞれだから、試行錯誤を繰り返すしかない。土曜日に試合がある時もあるので、オフの金曜日の過ごし方は考えないといけないかも。でも、コンディショニングは働いている選手たちの方が難しいと思う。若さでカバーできるかもしれないけど、これからの連戦でコンディションのいいチームほど強さを増すことは確実なので。昨年、一昨年とシーズン後半から調子を上げたということは、南葛の選手はコンディショニングがうまいのかな。

今野 みんな社会人だからか、自立してますよね。しっかりしてる。働きながらもちゃんと時間を作ってトレーニングしますし。考えて真剣にサッカーに取り組んでいるのが分かる。言い訳もしない。ただ、食事面は大変そうです。面倒くさくて食事を抜いちゃったりとかする場合もあるかもしれないけど、食事は重要なので。ましてやみんな若いですから。若いから食べなくても大丈夫という認識とは逆に、食べてるものが自分の身体になってる意識は強めた方がいいかなと見てて感じます。

稲本 関東リーグはどのチームの選手も働いているわけで、条件は基本的には一緒。見方を変えれば、Jリーガーよりも将来のことを考えて日々を過ごしてる人の方が多いかもしれない。サッカーだけでお金を稼げないと思って働きながら、必死に両立させている。遠い先のことをより考えながらサッカーを続けているのは、じつは関東リーグの選手たちのほうだよね。

 Jリーグでは感じ取れなかったこと。南葛SCに来て初めて思ったこと。これまでの経験と照らし合わせながら語られる“気付き”には多くの学びが含まれている。次回は、南葛SCというチーム自体に焦点を絞り、さらに2人の考えを語ってもらう。

※後編に続く。次回は7月4日(月)の公開予定です。

【選手プロフィール】
稲本潤一(いなもと・じゅんいち)/1979年9月18日生まれ、大阪府出身。181センチ・77キロ。G大阪―アーセナル、フルアム、WBA(以上イングランド)、ガラタサライ(トルコ)、川崎、札幌など。日本代表82試合・5得点。ワールドカップ3回(02年・06年・10年)出場の実績を誇る日本サッカー界を代表するボランチ。日韓W杯での2得点は今なお記憶に新しい。

今野泰幸(こんの・やすゆき)/1983年1月25日生まれ、宮城県出身。178センチ・73キロ。札幌―FC東京―G大阪―磐田。日本代表93試合・4得点。ワールドカップには10年・14年の2回出場。ピッチを広く見渡せる視野の広さと類まれな洞察力で、ボランチ、センターバック、サイドバックと様々なポジションをハイレベルにこなす。日本を代表する「ポリバレント」な選手だ。

取材・文●伊藤 亮

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『NEXT DREAM』について
KLabが提供するスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』のゲーム内で配信中の、作者の高橋陽一先生原案の新ストーリー。グランドジャンプ増刊『キャプテン翼マガジン』(集英社)で現在連載中の『キャプテン翼 ライジングサン』で描かれているマドリッドオリンピック後、おなじみのキャラクターたちがさらなる新天地で活躍する様子を、新キャラクターの登場とともに、ゲーム内で毎月新たなストーリーが公開されている。

『NEXT DREAM』特設サイト
https://www.tsubasa-dreamteam.com/next-dream/

<お知らせ>
 南葛SCをスポンサードするKLabが、今季もコラボレーションキャンペーンを開催中。南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、同社が運営するスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム ~』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。

 プレゼント内容は、南葛SCが勝利すれば「夢球×5」、勝利以外であれば、「コイン×28,300」となっている。さらに、勝利の際は「夢球×5」に加え、南葛SCが入れた得点分の夢球も配布される。南葛SCを応援して、アイテムをゲットしよう。 
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