今野 関東2部から1部に昇格したばかりなんですが、正直、自分たちの方が強いだろうという気持ちで戦っちゃってました。そういう雰囲気を作ってしまった。

稲本 今シーズン、自分やコンちゃんが入ってきて、だいぶメディアにも取り上げられて。それが南葛SCの選手にはもちろん、関東1部の全チームにも伝わった。そこで相手は意識してくる一方で、自分たちは昇格したばかりのチームという感覚が欠如したかもしれない。普通、昇格したてのチームが優勝候補になるなんてありえない。自信とすべきところが過信になっていた部分も、ひょっとしたらあったかもしれない。ただ、そうではないんだというのは、みんなもう分かったので。
今野 これまで決して見下していたわけではないんですが、この先は“相手の方が格上だ”という気持ちで臨んでいくのはありかと思います。チームの調子がいい時はなにをやっても上手くいくもので。シーズンを戦い抜く上で11人だけでは無理じゃないですか。どうしてもどこかでメンバーを入れ替えて戦う時に、調子がいい時は誰が出てもスッとチームに入っていける。でも調子が悪い時は逆に入りづらいもので。それでも入ってきた選手が奮闘すれば調子の流れが上向きになったりする。南葛SCにはいい選手が多いから、そういうことがあれば絶対巻き返せる。必要なのはきっかけかと思います。
稲本 (5月の前期6節で)TOKYO UNITED FCに1-4で負けた試合以外は、どちらに転ぶか分からない試合だった印象で。細かいところでの失点やチャンスを決め切れない積み重ねで5月まで来て。そうやって負け越していくと精神的にも厳しくなるし、先制されると気持ちにも余裕がなくなるといった変化が起きてしまう。その中で6月に全国社会人サッカー選手権大会関東予選の2試合をしっかり勝った。特に決勝は逆転で勝った。勝ちグセじゃないけど、これらの試合を自信として、それこそひとつのきっかけになれば。これからの夏場、連戦になるけど、上位と下位で実力差はないぶん連勝すれば正直、1位を狙えるくらいになるはず。そのためにもリーグ再開後の初戦はすごく大事になる。ここで勝点3を取れば、気分的にもプレッシャーから解放されるから。
「リーグ再開後の初戦はすごく大事になる。」この言葉が乗り移ったかのように、チームは6月26日に行われた前期7節の流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎に1-0で勝利。リーグ戦初勝利を挙げるとともに、6月は大学チームを相手に公式戦3連勝。きっかけとなるには十分な結果を残した。7月以降のリーグ戦での南葛SCの変わり身に注目だ。