新進気鋭の監督が進めるチーム作りが画期的。埼玉県リーグで戦う文教大の活動が濃密だ

カテゴリ:大学

サッカーダイジェスト編集部

2021年08月30日

「オリジナルのチームを作っていきたい」

4年生の久保田は「ツイッターチーム」でリーダーを務めた際のエピソードを語った。

画像を見る

 4年生の久保田は「ツイッターチーム」でリーダーを務めた際のエピソードを嬉しそうに話していた。

「『ファンを増やす』という理念からブレていなければ、藤原監督からは一定の決定権を与えてもらっています。お陰で自由にSNSを運営させてもらっていますが、その分責任もあるので慎重に投稿内容を考えてやってきました。

 部員にも力を借りながらチーム情報を発信し続けた甲斐もあり、年々新入部員が増え、今年はTwitterの効果で1年生が15人も入部してくれた。すぐに成果として表われなくても、努力を重ねればチームに貢献できると実感しましたね。

 SNSチームを動かせる権利を与えてもらった以上、誰のせいにもできない。全部自己責任で取り組みました。だからこそ15人だと感じています。最高に嬉しかったですね」
 

主将の芦澤。重要な決断を任されているため、苦労が絶えないという。

画像を見る

 かたや主将の芦澤は、スタメン選考、選手交代など本来なら監督が務める重要な決断を任されているため、苦労が絶えないという。切磋琢磨してきた“相棒”が大事な試合の日に遅刻すれば容赦なく「帰れ」と厳しく突き返さなければならないし、結果が出なければメンバー選考に対してチームメイトから批判が噴出する。7月18日の獨協大戦(〇1-0)で悲願の初勝利を挙げる前までは、「つらさが9割、楽しさ1割」と本音を吐露した。試合後に溢れた涙が、偽らざる気持ちの正体だっただろう。

 とはいえ初勝利で「少し楽になったので、今はつらさ6割、楽しさ4割」と主将は前を向く。そして続くコメントが興味深かった。

「1年生から4年生まで、全部員がいるからこそのオリジナルのチームを作っていきたいんです。誰もがチームで起きた現象、勝敗に対して“当事者意識”を持って、最後は全員が笑顔で終わり、ピッチ内外で良いシーズンを送れたと言えるように、もっと頑張りたい」

 言葉では自嘲気味に苦しみが上回っているとはいえ、語り口調は実に軽快で、なにより「オリジナルのチームを作っていきたい」というコメントが印象的だった。実際、独創的なチームを作るために主将は、「チームメイトの話を聞くのは大事にしていて、1年生からも意見を引き出す」ように心掛けているという。
【関連記事】
Jクラブ&大学へ優秀な指導者を多数輩出! 名門・清水東高の教え“勝澤イズム” 「サッカーは格闘技」
プロ内定者から選手権のヒーロー、J指揮官が惚れ込んだ逸材まで…2021年大学サッカー注目選手15選
J内定&プロ入り有力選手が目白押し! 大学生の地域選抜対抗戦「デンチャレ」ベスト11をピックアップ!
【J1選手輩出数 大学別ランキングTOP10】昨季3冠の名門・明治大は1位タイ。同率トップの大学は?
「いつクビにされるか分からない」。無給の可能性も!? ”選手権ヒーロー”のオーストラリア下部リーグ「奮闘記」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ