「ほとんどのチームに日本人がいる」
昨季まで町田に所属していた端山豪の移籍先がオーストラリアのシドニーオリンピックFCに決まった。その他、立花歩夢(元横浜FC)がプレストン・ライオンズFCへ、山田満夫(元沼津)がウロンゴン・ユナイテッドFCへと、Jリーガーのオーストラリア行きがちらほら目につく。所属元との契約が満了となり移籍先を探していた彼らが向かったのは、いずれも1部リーグではない。そんなオーストラリア下部リーグの実情が気になり、過去にプレーした選手の経験を電話で聞いてみた。
「オーストラリアは複雑なんだよね」
声の主である野路貴之は、2012年度の全国高校選手権に桐光学園高の一員として出場し、3ゴールを挙げてチームを3位に導いた“選手権ヒーロー”。「ヒーロー」という肩書はやや大袈裟かもしれないが、大会後には日本高校選抜にも選ばれたのだから悪くない実績だろう。その後は神奈川大に進学し、4年生時(16年)には主力として活躍。天皇杯1回戦の町田戦(〇1-0)ではJクラブ撃破にも貢献した。選手権で対戦した浅野拓磨(四日市中央工高→広島/現パルチザン)はすでにJリーグで活躍していたし、神奈川大で共闘した武田将平(現甲府)も岡山への入団が決まる。当然、「俺だって」とJクラブ入りを目指した。
「町田は練習試合、練習まで参加させてもらったけどダメだった。実力で決定的な大きな差を感じなかったからこそ、少し歯がゆさもあったかな……。そのあとも、沼津、相模原、YS横浜のセレクションも受けたけど、全部ダメ」
「オーストラリアは複雑なんだよね」
声の主である野路貴之は、2012年度の全国高校選手権に桐光学園高の一員として出場し、3ゴールを挙げてチームを3位に導いた“選手権ヒーロー”。「ヒーロー」という肩書はやや大袈裟かもしれないが、大会後には日本高校選抜にも選ばれたのだから悪くない実績だろう。その後は神奈川大に進学し、4年生時(16年)には主力として活躍。天皇杯1回戦の町田戦(〇1-0)ではJクラブ撃破にも貢献した。選手権で対戦した浅野拓磨(四日市中央工高→広島/現パルチザン)はすでにJリーグで活躍していたし、神奈川大で共闘した武田将平(現甲府)も岡山への入団が決まる。当然、「俺だって」とJクラブ入りを目指した。
「町田は練習試合、練習まで参加させてもらったけどダメだった。実力で決定的な大きな差を感じなかったからこそ、少し歯がゆさもあったかな……。そのあとも、沼津、相模原、YS横浜のセレクションも受けたけど、全部ダメ」
現実は厳しかった。そんな時に声をかけてくれたのが神奈川大の先輩だ。「オーストラリア来いよ」との誘いを受けて、海を渡った。先輩にはオーストラリアでの生活からクラブとの契約までサポートするエージェントサービスをしてもらったという。
晴れて加入できたのが、ウロンゴン・ユナイテッドFCで、所属はイラワラリーグ。本田圭佑(元メルボルン・ヴィクトリー)らがプレーしたAリーグ(オーストラリアの1部リーグ)とはまったくつながっておらず、昇降格のないイラワラ州独自で運営しているリーグである。同リーグには今季、前述の山田のほかに長谷川悠(長崎→ウロンゴン・オリンピックFC)も移籍した。日本人は多いようだ。
「外国人枠は1チーム3人までで、それをすべて日本人で埋めているチームもそこそこあるし、ほとんどのチームに日本人がいる。個人的にはオーストラリア人は技術が低い印象を受けたけど、フィジカルはあるから、オーストラリア人のウィークポイントを日本人で補っている感じだったかな」
リーグ戦は3月~8月までの間で、12チームがホーム&アウェー方式で合計22試合を戦う。1試合あたり、「勝てば400ドル(約2万7000円)、引き分けで350ドル(約2万4000円)、負けで300ドル(約2万円)が支給されて、ベンチは勝敗に応じて50%(=勝利なら200ドル)が払われる。ベンチ外なら無給」だったという。年俸はなく、加入時に決められた「出場給」が給料のベース。これは野路の場合で選手によって契約は変わるが、基本給がないため「モチベーションとしては毎試合必死だった」。
単年契約のため、チームに必要とされれば「出場給」が上がって翌シーズンも残留できるケースはあるが、「ほとんどの試合に出て、7ゴールも決めた。でも、チームとしての成績が悪かったのもあって、助っ人にあたる自分のもとに来季の契約の話はなかった」。
晴れて加入できたのが、ウロンゴン・ユナイテッドFCで、所属はイラワラリーグ。本田圭佑(元メルボルン・ヴィクトリー)らがプレーしたAリーグ(オーストラリアの1部リーグ)とはまったくつながっておらず、昇降格のないイラワラ州独自で運営しているリーグである。同リーグには今季、前述の山田のほかに長谷川悠(長崎→ウロンゴン・オリンピックFC)も移籍した。日本人は多いようだ。
「外国人枠は1チーム3人までで、それをすべて日本人で埋めているチームもそこそこあるし、ほとんどのチームに日本人がいる。個人的にはオーストラリア人は技術が低い印象を受けたけど、フィジカルはあるから、オーストラリア人のウィークポイントを日本人で補っている感じだったかな」
リーグ戦は3月~8月までの間で、12チームがホーム&アウェー方式で合計22試合を戦う。1試合あたり、「勝てば400ドル(約2万7000円)、引き分けで350ドル(約2万4000円)、負けで300ドル(約2万円)が支給されて、ベンチは勝敗に応じて50%(=勝利なら200ドル)が払われる。ベンチ外なら無給」だったという。年俸はなく、加入時に決められた「出場給」が給料のベース。これは野路の場合で選手によって契約は変わるが、基本給がないため「モチベーションとしては毎試合必死だった」。
単年契約のため、チームに必要とされれば「出場給」が上がって翌シーズンも残留できるケースはあるが、「ほとんどの試合に出て、7ゴールも決めた。でも、チームとしての成績が悪かったのもあって、助っ人にあたる自分のもとに来季の契約の話はなかった」。