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世界8強入りは可能か? 最終予選に臨む現有戦力は“史上最高”に近いが…森保一監督への期待と不安

カテゴリ:日本代表

加部 究

2021年08月25日

肝心なのは世界に近づくための道筋を明示すること

「史上最強」の根拠は、守備力を支えた個々の能力と経験値。セリエAで奮闘する冨安の成長ぶりは好材料だ。(C)Getty Images

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 スペインのゲームを主導する力はEUROでも屈指だったので、もし日本がR16に顔を出せれば、もう少し拮抗した対戦相手になるかもしれないが、やはりその程度の難易度は想定しておくべきだ。そして日本とスペイン相当レベルに歴然とした差がある以上、勝つためにはプラスアルファが求められ、そこを期待されるのが監督の采配を含めたスタッフの総合力ということになる。

 森保陣営に限らず、伝統的に日本は、あらかじめ相手が特定された一戦への準備は入念だ。大舞台の初戦では何度も強豪相手の番狂わせを演じて来たし、東京五輪もGSのメキシコ戦は出色だった。

 だが反面、概して上手くいかないシナリオを適宜修正していく柔軟性には乏しい。そこはいかにも日本社会の鏡とも言えそうだが、とりわけ生真面目な森保監督は、通常発する言葉と同様に「大過なく」が優先して、有事に大胆な決断には踏み切れず、踏み切ったとしても機を逸してしまいがちだ。

 アルベルト・ザッケローニ監督時代に技術委員長を務めた原博実氏は「選手が海外で活躍している以上、監督にも相応の実績が必要」と、日本人監督の起用は時期尚早と語っていた。実際その後も外国からの招聘が続くわけだが、結局ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の起用が潮目となった。あまりに日本人選手の活用法と戦術の相性が悪く、これなら日本人の長所を踏まえた自国監督のほうが、という消極的待望論が広がった。
 
 ただし世界のベスト8以上を望むなら、もはや代表監督の能力云々で片付くテーマではない。例えば3年前、ロシアでのベルギー戦に限るなら、代表監督やスタッフの力量で引っ繰り返せたかもしれない。だがしょせんノックアウトステージは運がついて回るもので、ブラジルやスペインでも勝利は保証されない。

 日本の現有戦力は史上最高に近いが、それでも世界のトップグループには足りていない。また森保監督はカタールでベストを引き出せる人材ではないのかもしれない。しかし代えてもベストに近づける保証はないし、トップグループとの差を縮める根本的な解決策にはならない。

 肝心なのは森保体制を終えた時に、手つかずの抜本的な改革を視野に、日本が世界に近づいていくための道筋を探り出し明示することだ。そもそも代表監督とは、それを根拠に選出されるべきである。

文●加部 究(スポーツライター)

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