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世界8強入りは可能か? 最終予選に臨む現有戦力は“史上最高”に近いが…森保一監督への期待と不安

カテゴリ:日本代表

加部 究

2021年08月25日

おそらくW杯本大会への階段も踏み外すことはないだろう

兼任監督として貴重な経験を重ねてきた森保監督。世界8強を目指すなら、五輪の準決勝をひっくり返すような総合力が要る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 東京五輪でメダルを逃した日本だが、盛んに飛び交った「史上最強」の謳い文句に嘘はなかった。

 何より根拠となるのは、守備力を支えた個々の能力と経験値だ。吉田麻也が先鞭をつけたCBの欧州進出は、ひと昔前なら考えられなかった。GKと並んで日本代表の明確なウィークポイントで、サイズと俊敏性や技術の両立は長く超え難いテーマだった。

 だが昨シーズンは、冨安健洋がセリエA全体のフィールドプレイヤーで開幕からの最長連続出場を記録。欧州内でも知名度を高め、二人を追いかける板倉滉もオランダでスピードとパワーを兼備する多くのアタッカーを相手に、フルシーズンを戦い抜いた。

 この安定した土台が攻撃への起点やサポートとして機能したのが、五輪でのグループステージ(GS)の3試合だった。MFでは遠藤航が果敢なインターセプトで相手のビルドアップを断ち切り、田中碧も連動して創造性の高いパスを繰り出した。

 さらに前線も林大地がとことん走り回って身体を張り、久保建英も戦術的な役割を果たせば、両翼も献身性を体現した。高い位置で断続的に仕掛けて、DFも押し上げて加担する。万全の準備でキックオフを迎えた試合は、理想に近いシナリオを描けていた。

 しかし準決勝のスペインという山は、あまりに高かった。6割を超えるポゼッションでゲームを支配され、時間の経過とともに日本は低い位置のブロック形成で耐え抜くしかなくなった。もちろん吉田、遠藤、田中らに蓄積された疲労の影響もあるだろうが、6人がEUROと五輪を連続出場したスペインは、さらに悪条件下に置かれていた。

 押し込まれ続けた日本は、ようやくボールを奪っても攻撃のスタート地点が低過ぎて人数をかけ切れない。守って善戦に持ち込むのが精一杯。それがスペインと比較した日本の現在地だった。
 
 欧州組が増えて、日本代表争いも確実に質が高まっている。もちろん攻撃に目を転じれば、香川真司や岡崎慎司がリーグ制覇の一員として輝いた頃に比べれば見劣りはするが、総体的に史上最高レベルが揃ったという見方も的外れではない。

 またそういう日本代表を指揮する森保一監督も、自国開催のワールドカップを戦ったフィリップ・トルシエ並みに貴重な経験を重ねて来た。フルと五輪の両代表監督を兼ね、コパ・アメリカ、アジアカップ、東京五輪と、十分に大舞台の場数も踏んだ。

 その過程で際立った致命的な失敗もないし、ピッチに立った選手たちの力も引き出しており、おそらくこのままワールドカップ本大会への階段も踏み外すことはないだろう。

 だが現体制で日本が目指すラウンド(R)16の壁を突破できるかと言えば、相当に望外の幸運に後押しされない限り難しい。そもそも過去2度の他国開催でのベスト16も、偶然性の高い追い風に助けられたわけだが、ベスト8へと歩を進めるには五輪の準決勝をひっくり返すような総合力が要る。
 
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