CL挑戦こそ欧州組の醍醐味。模範とすべき“内田篤人の継続力”

カテゴリ:海外日本人

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年08月18日

CLで真のワールドクラスと鎬を削った内田は幸せ者

引退後は解説者としても活躍する内田。1年前はまだピッチの上が彼の仕事場だった。写真:滝川敏之

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 欧州ナンバー1のクラブを決める大会で文字通り「ギリギリ」の戦いを、しかもチームの主力として体感できた日本人選手がこれまで何人いたか。内田がなにより素晴らしいのは、出場した4大会でいずれもグループリーグ突破に寄与した点だろう。10-11シーズンのベスト4進出に貢献したパフォーマンスがクローズアップされがちだが、むしろ着目すべきは継続力。4大会に渡ってコンスタントに活躍できたところにこそ大きな価値がある。実際、内田もこんなコメントを発していた。

「CLに4回も出場できて、グループリーグも突破できている。欧州のクラブに所属すると言っても、そういう経験はなかなかできないからね。一度だけ(CLに)出て、パッと活躍するのはどこにいても可能性があるけど、出続けてるというのはなかなか難しい」
 
 確かにCLでの無理が祟り、右膝の怪我を悪化させたことで選手寿命を縮めたとの見方はできる。しかし、果たして内田は後悔しているだろうか。むしろ、CLでのギリギリの戦いを楽しめたという感覚のほうが強いのではないか。

 そして、今、欧州で戦う選手たちも内田の功績に目を向けるべきだ。やはり、CLは特別な舞台。欧州組にとってCL挑戦こそ最大の醍醐味と言って過言ではない。だからこそ、内田の継続力を模範とすべきなのだ。

 いずれにしても──。CLで、真のワールドクラスと鎬を削った内田は幸せ者だ。プロサッカー選手なら誰もが憧れる舞台で複数年に渡り確かな足跡を残した功績は、今も、いや、これからもずっと色褪せない。

構成●サッカーダイジェスト編集部

※サッカーダイジェスト2020年9月24日号に掲載された原稿に加筆・修正したもの。

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