【コパ・アメリカ現地レポート】メッシ、輝くも… 土壇場で追いつかれたアルゼンチン

カテゴリ:国際大会

熊崎敬

2015年06月14日

90分、執拗なパラグアイの攻めが実を結ぶ。

このバルデスのゴールで反撃の狼煙を上げたパラグアイは、90分にバリオスが決めて引き分けに持ち込んだ。アルゼンチンといえども簡単に勝てないのがコパ・アメリカだ。 (C) Getty Images

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 だが、フットボールはわからない。2-0で折り返した試合は、終わってみたら2-2になっていた。アルゼンチンが失速したわけではない。あきらめの悪いパラグアイが信じられない反撃を見せ、同点に持ち込んでしまったのだ。
 
 守備的に臨んだ前半、2失点という大きなダメージ負ったパラグアイは、アルゼンチン人のラモン・ディアス監督の指揮の下、粘り強く巻き返した。
 分厚い肉体をぶつけながらしつこくパスをつなぎ、60分に鋭い縦パスを受けたバルデスが反転直後の強烈なミドルで1点差に追い上げる。
 
 その後、ゲームは激しいカウンターの撃ち合いになり、文字通り瞬きもできないような展開となった。パラグアイの首を刎ねようと、アルゼンチンのマルティーノ監督はテベス、イグアインを投入。だが、交代は機能せず、むしろパラグアイに押し込まれた。
 
 90分、執拗なパラグアイの攻めが実を結ぶ。途中出場のバリオスがFKのこぼれ球を突き刺し、その瞬間、スタジアムは騒然となった。予期しないドラマの結末に、ファンは我を忘れてしまったのだ。
 
 2-0からの引き分け。22年ぶりの優勝を狙う本命アルゼンチンには、苦い初戦となった。
 
 パラグアイにとっては金星だ。祖国に土をつけたラモン・ディアスはしてやったりだろう。ちなみに終了間際の同点弾を決めたバリオスはアルゼンチン生まれ。帰化したパラグアイのユニホームを身にまとい、祖国に痛烈な一撃を見舞ったことになる。
 
 それにしてもコパ・アメリカのレベルは恐ろしく高い。
 1年前のワールドカップでファイナリストとなったアルゼンチンは、実力を出しながら勝利を逃した。引き分けに持ち込んだのは、ワールドカップにはいなかったパラグアイ。彼らは南米予選最下位に終わった国なのだ。
 
取材・文:熊崎敬



 


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