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「俺はのほほんとしてられへんねん!」頭角現わすFW林大地、プロ入り前の“叫び”に母校恩師が確信した想い【東京五輪】

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2021年08月06日

「あいつ凄いな。ちょっと物が違うし、絶対プロになるわ」四中工・樋口士郎監督(当時)

高校時代は1年次から定位置を獲得。ユース昇格を果たせなかった悔しさもバネに這い上がった。写真:安藤隆人

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 林もゴールに対してどこまでも貪欲だった。フィジカルとアジリティーを駆使して右サイドから縦への突破とカットインを駆使して、何度も仕掛けていく。その表情は1年の時から鬼気迫るもので、後にビーストと呼ばれる片鱗を見せていた。

「彼が高2の時に四日市中央工と練習試合をした時にセンターフォワードが怪我をしていたので、4-4-2の2トップの一角で林を使ったら、もう1人、2人を引きずっていくようなドリブルでどんどん仕掛けていたんです。そうしたら四中工の樋口士郎監督(現・三重県テクニカルダイレクター)が『あいつ凄いな。ちょっと物が違うし、絶対プロになるわ』と絶賛してくれた。そこで中央も十分できるなと思いましたね」
 
 着実に成長を遂げた林だったが、高校卒業時はプロから声がかかることはなかった。さらに関西学院大に進もうとするも落とされ、平野監督の繋がりで大阪体育大に進学するなど、周囲の評価はそこまで高いわけではなかった。

「私の力不足なのか、もっと評価をされていいとは正直思っていました。ただ、プロは呼ばれて行くものであって、こちらからお願いして行くものではないと思っているので、彼には大学進学を勧めました。大事なのはプロになることではなく、プロに行って10年以上はそこで飯を食えないといけないと思っているので、大学でしっかりと鍛えてそこからでも遅くはないと思いました」

 この選択は正解だった。大阪体育大ではセンターフォワードとして起用され、フィジカルとポストプレーなどが磨かれ、よりゴールへの獰猛さも増した。そして何より彼自身が自分の成長に対してとことん飢えていた。

 平野監督には印象的なエピソードがある。それは林が大学3年の時の正月に履正社に初蹴り(新年初のサッカー)に他の同級生OBとやってきた時だった。林たちの世代が中心となったチームと、新チームのレギュラー組と試合を行なったのだが、笑顔でサッカーを楽しむOBたちの中で林はただ一人本気でプレーし、ハットトリックを達成した。

 試合中、後輩たちから「あの人えぐい」という声が出る中、OB組の周りからは「そんな後輩相手にムキになるなよ~」といじられたが、林は大きな声で「俺には時間がないんや!」と叫んだ。
 
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