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ガンバではユース昇格ならず…“ビースト”林大地の闘争心に火をつけた履正社の仲間たち【五輪代表エピソード】

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2021年07月08日

中3になっても思うように出場機会を得られず、ユースにも昇格できなかった

U-24日本代表に選出された林の履正社高時代。3年のインターハイでは、強豪の流経大柏も破った。写真:安藤隆人

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 獰猛な『ビースト』が東京五輪最終メンバーに滑り込んだ。昨年、大阪体育大からサガン鳥栖に加入すると、前線でポストプレーから裏抜け、そして2列目でボールを受けて展開をしてからゴール前に飛び込むなど、万能的な能力を発揮したことで、みるみるうちに鳥栖のエースストライカーとして君臨。9ゴールをマークし、ブレイクの時を迎えた。今季はポストプレーを得意とする山下敬大との2トップのコンビがハマり、チャンスメーカーとしてもプレーの幅をさらに広げている。

 こうした成長ぶりが森保一監督の目に留まり、3月の五輪代表シリーズで堂安律の負傷辞退を受けて、追加招集という形で初招集されると、アルゼンチン戦で圧巻の裏抜けゴールを突き刺し、自らの力でチャンスを掴み取った。6月の合宿にも招集され、当初はバックアップメンバーだったが、最終的には本戦メンバーに入った。

『ビースト』。これは鳥栖の前線でゴールへの執着心剥き出しに突き進む彼のプレースタイルを見て、獰猛な野獣のようだとつけられたあだ名だ。

 今思えば、このビーストの片鱗は高校1年生の時から持っていた。彼のプレーを最初に見た時、「常に何かを狙っている男だな」と感じた。その『何か』とは、もちろんゴールやドリブルを仕掛けるタイミングなど、プレー面での違いにも関係していたが、ピッチ上での佇まい、発するオーラは明らかに他の選手と異なっており、周りとは異質なものを持っていた。
 
 目つきが鋭く、ボールに対する執着心も人一倍あり、特にイーブンボールに対する反応と迷いのなさ、そして身を呈しながらもマイボールにする気迫は、ピッチ外から見ていてもグッと引き込まれるものがあった。

 そこには当然、彼の反骨心があった。「ユースに上がった選手には絶対に負けたくないんです」と話していたように、ガンバ大阪ジュニアユースでプレーするも、1学年下の堂安律がすでにユースチームに絡んで活躍をする中、中3になっても思うように出場機会を得られず、ユースにも昇格できなかった。この悔しさが根底にあるのは間違いない。

 だが、それだけではない。地元大阪の高校サッカーの強豪校である履正社高の門を叩いたが、ここには同年代の志をともにするライバルが多く揃っていた。G大阪ジュニアユースからやってきたMF牧野寛太(現・長野パルセイロ)、田中駿汰(現・北海道コンサドーレ札幌)、川畑隼人(現・Honda FC)など、同じユースに昇格できなかった悔しさを持つハイレベルな同志たちが揃っていたことで、彼の闘争心にはさらに火がついていた。

「みんなで巻き返す。履正社に来たことが間違いではなかったことを僕らで証明していきたい」

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