福岡U-15に入団する前から「プロへの道」が見えていた
藤崎たちのそうした指導のおかげで、冨安はすくすくと成長していく。普通、選手のキャリアを辿るとそれなりに大きなエピソードはあるものだ。しかし、「タケは例外」と藤崎はいう。
「劇的な何かがあったわけではないんですよね。だから、タケとのエピソードを訊かれるといつも答に困ります(笑)」
常に淡々と自分のプレーに集中して、良いプレーをしても、逆にミスをしても、感情は表に出さない。伸ばすべき長所、改善すべき短所を自己分析してスケールアップできるよう努める。そうした地味な作業を文字通り淡々とこなす姿が、藤崎の脳裏には焼き付いている。
「失敗しても次の試合で修正する子でしたね。U-17ワールドカップのアジア予選の韓国戦(14年9月14日)で、タケが相手にぶち抜かれたシーンがあったんですよ。そこでも『なぜそうなったか』を考え、以降、より判断を意識してプレーし始めた印象があります」
誰かに何かを言われずとも課題に取り組める。藤崎のコメントを拝借すれば「タケはまったく手がかからない子」だった。
「ジュニアユースの頃から誰よりも早く練習に来て、『先に皆の分も準備しておきます』と言う子でしたからね。自主練して最後までいれば『あとは僕が全部片づけます』と。正直、怒った記憶がほぼありません。『もっと言葉にしてリーダーシップを取っていいよ』とタケに言ったことはありますが、彼が黙っていてもチームメイトが『タケがやっているんだからやろうよ』となる。背中で引っ張るタイプでした」
「劇的な何かがあったわけではないんですよね。だから、タケとのエピソードを訊かれるといつも答に困ります(笑)」
常に淡々と自分のプレーに集中して、良いプレーをしても、逆にミスをしても、感情は表に出さない。伸ばすべき長所、改善すべき短所を自己分析してスケールアップできるよう努める。そうした地味な作業を文字通り淡々とこなす姿が、藤崎の脳裏には焼き付いている。
「失敗しても次の試合で修正する子でしたね。U-17ワールドカップのアジア予選の韓国戦(14年9月14日)で、タケが相手にぶち抜かれたシーンがあったんですよ。そこでも『なぜそうなったか』を考え、以降、より判断を意識してプレーし始めた印象があります」
誰かに何かを言われずとも課題に取り組める。藤崎のコメントを拝借すれば「タケはまったく手がかからない子」だった。
「ジュニアユースの頃から誰よりも早く練習に来て、『先に皆の分も準備しておきます』と言う子でしたからね。自主練して最後までいれば『あとは僕が全部片づけます』と。正直、怒った記憶がほぼありません。『もっと言葉にしてリーダーシップを取っていいよ』とタケに言ったことはありますが、彼が黙っていてもチームメイトが『タケがやっているんだからやろうよ』となる。背中で引っ張るタイプでした」
くそ真面目。冨安の性格をひと言で表現するなら、そうなるだろう。
「根が素直なんですよ。コーチに指摘されたらまずやってみる。だからといって、『やってますよ』とアピールするわけではないんです。本当に淡々と、そんな感じです」
おそらく冨安には福岡U-15に入団した当初、いや、それ以前から「プロへの道」が見えていた。続けてこう語ってくれた藤崎の証言からもそれは感じ取れる。
「中学3年で参加したトップチームのキャンプで浮かれるわけでも、物怖じするわけでもなく、普通にプレーしていました。『俺はここでやる』と明確な意思を持っていたからでしょう。僕としては、このタイミングでキャンプに参加させて良かったと思いました」
「根が素直なんですよ。コーチに指摘されたらまずやってみる。だからといって、『やってますよ』とアピールするわけではないんです。本当に淡々と、そんな感じです」
おそらく冨安には福岡U-15に入団した当初、いや、それ以前から「プロへの道」が見えていた。続けてこう語ってくれた藤崎の証言からもそれは感じ取れる。
「中学3年で参加したトップチームのキャンプで浮かれるわけでも、物怖じするわけでもなく、普通にプレーしていました。『俺はここでやる』と明確な意思を持っていたからでしょう。僕としては、このタイミングでキャンプに参加させて良かったと思いました」