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「本当に難しい仕事です」欧州クラブで働く日本人スカウトの実情に迫る――【STVVの野望】

カテゴリ:連載・コラム

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2021年06月30日

「監督が代わって多少バタバタすることはあっても…」

長島氏がとくに印象に残っている選手として名前を挙げたCBのブアトゥ。20-21シーズンは15節から全試合にフル出場し、チームに欠かせない存在となっている。(C)Getty Images

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――スカウトの難しい点は?

「すべてですね。“この選手は自分たちのクラブで本当に活躍できるのか”。根本的な部分ではありますが、やはりその点の判断はとても難しいです。クラブが決めたバジェットの中で、毎シーズン25人程度のスカッドを組まなくてはいけない以上、コスト面も関わってきますし、レギュラー候補なのか、バックアッパーなのか、それとも若手への投資なのかによって選考基準も多少は変わってきます。とはいえ、入団したすべての選手はクラブのスカウティング項目を満たし、スカウト陣が映像を確認したうえで覚悟を持って推薦したタレントです。それでもミスマッチは起こるので、本当に難しい仕事ですね。

――20-21シーズンのように途中で監督が交代した場合、補強ターゲットも変わってくるんですか?

「監督が志向するサッカーとクラブが目指すサッカーに多少の相違があるのは当たり前です。ただ、我々は常に監督が代わるかもしれないというリスクを前提で物事を進めています。これまでも、クラブがあらかじめ準備した補強リストを基に、指揮官の戦術にアジャストしそうな選手をディスカッションしながら選択してきました。なので、監督が代わって多少バタバタすることはあってもプロセス自体は変わりません」
――スカウト活動を通して、とくに印象に残っている選手はいますか?

「昨夏獲得したセンターバックのジョナタン・ブアトゥですね。彼は19-20シーズンの前半戦はムスクロンに在籍していて、ほとんど試合に出場していませんでした。ただ、ポルトガルの名門(リオ・アベ)からのレンタルだったのでポテンシャルはあるはずだと思い、その後も動向を追い続けていたんです。予想通り、再レンタル先のアベス(ポルトガル)では素晴らしいプレーを見せていたので、昨夏に獲得することになりました。ただ、実際に見てみると少し印象とは違いました。緊張していたのか、ウォーミングアップでパスミスを連発し、実際に試合に入ってからも守備面に関しては問題なかったんですが、やはりビルドアップがうまくいかなかったんです。思い入れがあっただけに少し心配になりましたね。ただ、シーズン中盤戦に定位置を掴んでからは一気に最終ラインに欠かせない存在へと成長しました。自分が確信を持って獲得した選手だったので、はじめは不安になりましたが、最終的には実力を証明してくれた。選手って本当にどう転ぶか分からないなと感じた事例でしたね」

※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年7月1日号より転載・加筆
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