エムバペに対し、フランス代表OBからは辛辣な言葉も
10日付『L’EQUIPE』は、ヴァンサン・デュリュック記者の客観的で詳細な“試合見直し結果記事”を掲載した。
エムバペは、ジルーが交代して入ってきた(41分)後に何度かパスを送った。ただ後半は確かに少なくなった。だが、エヌゴロ・カンテやバンジャマン・パバールもジルーを選ばなかった瞬間があり、そのときはそれで正解だった、本当に文句を言える選手がいるとすればむしろウィサム・ベン・ヤーデルだった、正しいのはやはりデシャンの言い方だ、と克明に解析している。
だからといって、すでにフランス中のカフェもネットも“エムバペ対ジルー”の話題で炎上してしまった。加えて、「ジルーがベンゼマにリベンジ!」と書いたソーシャルネットメッセージにジルーが「like」を押してしまい、慌てて消したことも判明し、延焼を続けている。
そんななか、10日の夜に前日と同じ討論番組が放映された。
出演した元代表ストライカーのジブリル・シセが、「なんでこんなことで大騒ぎするのかわからないな」と呆れ顔を浮かべた。「ストライカーならパスが来なくてムカつくのは当たり前。俺なんかみんなにわめいて、地面がひっくり返るぐらいだったよ」と笑わせた。
ただ、「今後は初戦による。初戦で一方がアシストして一方が決めれば、すっかり消えちゃうさ。でももし初戦でしくじれば……。万が一こんなことがずっと引きずられたら、滑稽だ」と釘を刺した。
エムバペは、ジルーが交代して入ってきた(41分)後に何度かパスを送った。ただ後半は確かに少なくなった。だが、エヌゴロ・カンテやバンジャマン・パバールもジルーを選ばなかった瞬間があり、そのときはそれで正解だった、本当に文句を言える選手がいるとすればむしろウィサム・ベン・ヤーデルだった、正しいのはやはりデシャンの言い方だ、と克明に解析している。
だからといって、すでにフランス中のカフェもネットも“エムバペ対ジルー”の話題で炎上してしまった。加えて、「ジルーがベンゼマにリベンジ!」と書いたソーシャルネットメッセージにジルーが「like」を押してしまい、慌てて消したことも判明し、延焼を続けている。
そんななか、10日の夜に前日と同じ討論番組が放映された。
出演した元代表ストライカーのジブリル・シセが、「なんでこんなことで大騒ぎするのかわからないな」と呆れ顔を浮かべた。「ストライカーならパスが来なくてムカつくのは当たり前。俺なんかみんなにわめいて、地面がひっくり返るぐらいだったよ」と笑わせた。
ただ、「今後は初戦による。初戦で一方がアシストして一方が決めれば、すっかり消えちゃうさ。でももし初戦でしくじれば……。万が一こんなことがずっと引きずられたら、滑稽だ」と釘を刺した。
大先輩のOBフランク・ソゼも、「小学校の校庭の喧嘩みたいだ。いくら何でも幼稚すぎる。こんなことで記者会見なんかしていたら大ごとになっていた。幸いにもデシャンがいてよかった。大人なのだから引きずらずにやるべき」と、穏やかな口調ながらピシャリと、エムバペの過剰反応を嗜めている。
そして今もなお、クレールフォンテーヌは緊張状態が続いている。監督とスタッフが仕向けたのか、エムバペがジルーにビブスを手渡すが、顔は硬直したままだった。ミニゲームでは、エムバペとジルーの華麗なワンツーからジルーが決めるシーンが生まれ、直後にジルーがエムバペの頭をぐりんと撫でて友情と感謝を示し、エムバペもそれを避けなかった。ただ、笑顔は見えなかった。
11日の記者会見には、エムバペではなくポール・ポグバが登場。ふたりの間には何の問題もないことを入念に強調してから、「まあ、キリアンには、もうちょっと守備に参加してほしいけどな」と笑わせ、リーダーとして火消しを図った。
今回の一件は、記者の言葉足らず、ジルーのフラストレーション、若いエムバペの過剰反応などが重なって生じたすれ違いによるものだ。美しいが壊れやすいクリスタルガラスのようなフランス代表が見えた瞬間でもあった。
フランス代表は2018年ワールドカップのように、一致団結して戦えるだろうか。注目の初戦、ドイツ戦は15日である。
取材・文●結城麻里
test by Marie YUUKI
そして今もなお、クレールフォンテーヌは緊張状態が続いている。監督とスタッフが仕向けたのか、エムバペがジルーにビブスを手渡すが、顔は硬直したままだった。ミニゲームでは、エムバペとジルーの華麗なワンツーからジルーが決めるシーンが生まれ、直後にジルーがエムバペの頭をぐりんと撫でて友情と感謝を示し、エムバペもそれを避けなかった。ただ、笑顔は見えなかった。
11日の記者会見には、エムバペではなくポール・ポグバが登場。ふたりの間には何の問題もないことを入念に強調してから、「まあ、キリアンには、もうちょっと守備に参加してほしいけどな」と笑わせ、リーダーとして火消しを図った。
今回の一件は、記者の言葉足らず、ジルーのフラストレーション、若いエムバペの過剰反応などが重なって生じたすれ違いによるものだ。美しいが壊れやすいクリスタルガラスのようなフランス代表が見えた瞬間でもあった。
フランス代表は2018年ワールドカップのように、一致団結して戦えるだろうか。注目の初戦、ドイツ戦は15日である。
取材・文●結城麻里
test by Marie YUUKI