今後最大であと3回の対戦も。どんな成長物語が刻まれるのか。

市立船橋はキャプテンの平良碧規が先制点を挙げ、幸先の良いスタートを切る。写真:安藤隆人

流経大柏も終了間際に廣谷瑠己の劇的な同点弾で追いつく。ライバル対決は引き分けに終わる。写真:安藤隆人
まさに一進一退の攻防が終盤まで続いたが、徐々に運動量が落ちてきた市船に対し、流経大柏が一気に畳みかけてきた。そして90分、流経大柏に同点ゴールをもたらしたのは、この試合のメンバーで唯一3年生でベンチスタートのMF廣谷瑠己だった。
「最初は2年生のDF都築駿太を入れようと思ったけど、廣谷がデューフと2人で必死にアップをしているのが見えた。その姿を見て『廣谷で行く』と決めた」と、スタメンではなかった悔しさをポジティブな気持ちで表現した彼に、榎本監督は試合を託すことを決めた。
その判断が見事に的中。85分に投入されると、積極的なドリブルでリズムを作り出した。そして終了間際に同じく途中出場のMF長谷部陽也が左サイドを突破。「市船の選手が全員ニアに飛び込んだ石川裕雅に食いついていたので、ファーに飛び込めばボールが来ると思った」と、わざと遅れてゴール前に飛び込むと、長谷部からのドンピシャのクロスをダイレクトボレーでゴールに蹴り込んで見せた。
この劇的な同点弾により、ライバル決戦は1-1のドロー決着に終わった。タイムアップの瞬間にお互い勝ちきれなかった悔しさでうなだれる選手たちの姿がピッチに映った。それほど彼らはライバルに勝ちたかった。
「勝ちきれなかったのは本当に悔しい」と両チームの選手たちは異口同音に悔しさを表現したが、その一方でこの勝点1は双方に大きな手応えをもたらしていた。
「最初は2年生のDF都築駿太を入れようと思ったけど、廣谷がデューフと2人で必死にアップをしているのが見えた。その姿を見て『廣谷で行く』と決めた」と、スタメンではなかった悔しさをポジティブな気持ちで表現した彼に、榎本監督は試合を託すことを決めた。
その判断が見事に的中。85分に投入されると、積極的なドリブルでリズムを作り出した。そして終了間際に同じく途中出場のMF長谷部陽也が左サイドを突破。「市船の選手が全員ニアに飛び込んだ石川裕雅に食いついていたので、ファーに飛び込めばボールが来ると思った」と、わざと遅れてゴール前に飛び込むと、長谷部からのドンピシャのクロスをダイレクトボレーでゴールに蹴り込んで見せた。
この劇的な同点弾により、ライバル決戦は1-1のドロー決着に終わった。タイムアップの瞬間にお互い勝ちきれなかった悔しさでうなだれる選手たちの姿がピッチに映った。それほど彼らはライバルに勝ちたかった。
「勝ちきれなかったのは本当に悔しい」と両チームの選手たちは異口同音に悔しさを表現したが、その一方でこの勝点1は双方に大きな手応えをもたらしていた。
「やっぱり市船は堅い。さすがでした。でも、『これが市船だぞ』ということを3年生が身をもって体感できたことは大きい。この先、インターハイ予選、リーグ後期、選手権予選と避けて通れない相手だけに、この経験をした3年生がより中心となってくれると思います」と榎本監督が語れば、市船・波多秀吾監督も「僕らスタッフが『次は流経柏が相手だぞ』と言わなくても、3年生が意識の高さや意地をこの1週間で示してくれた。本当に重要な相手だなと改めて思いました」と、選手たちの奮起に目を細めた。
互いに絶対負けたくない相手であり、自らの力を引き出してくれる相手でもある。まさに最高のライバルであることを示したこの一戦。今後、最大で3回は行なわれるこのカードで、どのような成長物語が刻まれるのか、今から非常に楽しみでならない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【PHOTO】2021年の高校サッカー界を彩る主な注目株を写真でチェック!~関東編
互いに絶対負けたくない相手であり、自らの力を引き出してくれる相手でもある。まさに最高のライバルであることを示したこの一戦。今後、最大で3回は行なわれるこのカードで、どのような成長物語が刻まれるのか、今から非常に楽しみでならない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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