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イングランドの“救世主”によって2日で瓦解したESL構想。スペインのファンはなぜ沈黙したのか?【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2021年05月05日

一大プロジェクトにしては甘すぎた見通し

 プロジェクトの矛盾点はいくつもある。参加クラブは収益が大幅に拡大すると豪語していたが、大手のプラットフォームは見通しの甘さを指摘している。中小クラブへの連帯感という謳い文句にしても取って付けた感は否めない。そもそも市場の動向を予測するという作業は、見えないものを見る行為と一緒で、イコール存在しないことになる。

 結果を度外視して参加できるというフォーマットも問題だ。サッカーは冒険心と結びつきの強いスポーツであるにもかかわらず、そこからリスクを取ったら最大の魅力を失ってしまう。

 ゴージャズだが中身が伴わず、見切り発車で大衆受けもしなかった。そこに「El Chiringuito」という深夜のTV番組でプレゼンテーションするに至っては、一大プロジェクトにあるまじき危うさを露呈するだけだった。
 
 もっとも、今回の出来事で改めて明らかになったこともある。サッカー界の再編の必要性だ。守りに入っていては今の時代は生きていけない。ESLはベストな解決策からは程遠く、最低限のコンセンサスさえ得られなかった。

 早急に改革に取り組まなければならない。それも抜本的に、だ。国内リーグ戦の日程を緩和する必要があるし、スペクタクルとしてのサッカーの魅せ方についても、もっとやりようがあるはずだ。

 強豪同士の対戦を増やすというアイデア自体は決して悪いものではないのだ。束の間の騒動を経て、サッカー界は分裂の度を深めた。しかし、誰に責任があるかを論じても時間の無駄になるだけだ。調整役を担う最高機関は不可欠だが、同時にビッグクラブなくしてサッカーは存続できない。お互いがプライドを捨てて、サッカーと真摯に向き合い話し合わなければならない。そう、イングランドのサポーターが実践してみせたように。

文●ホルヘ・バルダーノ
翻訳:下村正幸

【著者プロフィール】
ホルヘ・バルダーノ/1955年10月4日、アルゼンチンのロス・パレハス生まれ。現役時代はストライカーとして活躍し、73年にニューウェルズでプロデビューを飾ると、75年にアラベスへ移籍。79~84年までプレーしたサラゴサでの活躍が認められ、84年にはレアル・マドリーへ入団。87年に現役を引退するまでプレーし、ラ・リーガ制覇とUEFAカップ優勝を2度ずつ成し遂げた。75年にデビューを飾ったアルゼンチン代表では、2度のW杯(82年と86年)に出場し、86年のメキシコ大会では優勝に貢献。現役引退後は、テネリフェ、マドリー、バレンシアの監督を歴任。その後はマドリーのSDや副会長を務めた。現在は、『エル・パイス』紙でコラムを執筆しているほか、解説者としても人気を博している。

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。
 
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