柏――大谷は抜群の働きぶり。2得点の工藤はレナトも潰してMOMに。
■柏レイソル■
――先発出場――
GK 21 菅野孝憲 6
好セーブを何度か見せていたし、キャッチングも及第点。ただ、後ろからつなげる場面でも、ロングボールを多用していたのは気になった。チームとして決まっているのかもしれないけど、もう少しメリハリをつけても良かったと思う。
DF 27 キム・チャンス 7
攻守両面でハイパフォーマンスだった。一番の評価は、DFとしてレナトを封じ込めたこと。レナトを消せば、フロンターレの攻撃力を半減させることができる。そして攻撃では、高精度のクロスで工藤のゴールをお膳立て。勝点3に大きく貢献した。
DF 4 鈴木大輔 6.5
90分をとおしてすごく安定していた。ヘディングの強さは盤石で、空中戦はほとんど勝っていた。入ってくるボールを確実に撥ね返し、セットプレーから奪われた失点以外、危ない場面をそこまで作らせなかった。ラインコントロールも問題なかった。
DF 13 エドゥアルド 6
鈴木と息の合ったコンビを見せ、1対1の強さなど局面の勝負で頼りになった。もっとも、クリアは別にいいんだけど、ビルドアップを重視するレイソルのサッカーにおいて、後ろからのつなぎのパスがやや雑だった。そこをもっと丁寧にこなせば、チーム内での評価もさらに上がるはず。
DF 22 輪湖直樹 6.5
エウシーニョや小林とのマッチアップに負けていなかった。気温の高いなかでも、惜しみない運動量で精力的な上下動をこなしていたのも好評価。SBとして与えられたタスクを全うしていた。欲を言えば、縦のオーバーラップだけでなく、例えばアンカーのパスコースを作るために中に入っていくとか、高い位置でポジションを取った場合、相手の最終ラインの裏のスペースを狙うとか、外がかりでなくインナーラップを心がけて、選手としての幅を広げてほしい。ゲームメイクにも顔を出せれば相手も困惑するだろうし、そういうSBは日本にまだまだ少ない。期待したいね。
MF 25 小林祐介 6.5
目立ちはしなかったけど、シンプルながら的確なプレーで奮闘。受けて、さばく、という一連の動作に無駄がなく、ソツなくこなしていた。
MF 8 茨田陽生 6.5
とにかくこの試合はレイソルが中盤を制することができていた。テンポ良くパスを回せていたけど、そこで重要な働きをしていたのが茨田だった。いろんな場面に顔を出してスムーズにボールを出し入れ。彼の存在はかなり効いていたと思う。
MF 7 大谷秀和 7
抜群の動きをしていた。中盤のトライアングルの形成はもちろん、キープ力が高く、飛び出しも効果的だった。アンカーの茨田がケアされれば、スッと下がってパスコースを作ってあげるし、味方が前を向いてパスを出そうとすれば、すかさず相手が嫌がるスペースを突いてボールを持つ選手の選択肢を増やす。状況に応じてなにをすべきかの判断が早くて、正確。一つひとつの細かいポジショニングでチームにペースを引き寄せる原動力となっていたのは間違いない。
FW 15 武富孝介 7
やはり、前半終了間際の同点弾を評価したい。あのまま0-1で終わっていたら、チームとしてかなり苦しくなっていたはず。あの1点が後半の戦いに及ぼした影響は大きかったと思う。それだけ価値のあるゴールだっただけに「7」を付けたい。ドリブルシュートだったけど、ドリブルのコース取りやシュートも良かった。
FW 9 工藤壮人 8 MOM
決定機を外す場面もあったけど、後半はしっかりとチャンスをモノにして2ゴール。さらにクリスティアーノのダメ押しゴールをアシスト。攻撃だけでなく、プレスバックをサボらず、キム・チャンスと連係しながらレナトを潰した。大車輪の活躍ぶりと言っていい。
FW 11 レアンドロ 6
確実に収めて、前線の起点となる活躍を披露していたと思う。頂点でボールが落ち着かないとチームとしても機能しなくなるだけに、彼の働きは大きかった。今後もっとコンディションが上がってくればゴールも取れるだろうし、そうなればレイソルはさらに強くなりそうな気がする。
――交代出場――
MF 栗澤遼一 6
派手さはなかったけど、それまでのレイソルの良いリズムを崩すことなく、ゲームに入れていた。常に落ち着いていて、安定感のあるプレーで勝利の確率を高めていた。
FW クリスティアーノ 7
水を得た魚のようにピッチを躍動。出場してすぐにゴールを決めて、その後もチャンスを作り出していた。トドメを指すチーム4点目の価値は大きい。フロンターレにとってもやっかいな選手だったに違いない。
監督 吉田達磨 7.5
目指すサッカーを十二分に体現できた試合だった。整然たるコンパクトさでゲームを進めながら、フロンターレの中盤を機能不全に追い込んでみせた。今季一番の出来だったのではないか。
■特別採点■
審判 クリストファー・ビース 7.5
今回は特別に審判も採点したい。というのも、非常に素晴らしいレフェリングと毅然としたジャッジを示して、試合を円滑に進めていたからだ。カードを出す際も、躊躇することなく、スピーディにズバッと提示する。抗議を一切受けつけないオーラが滲み出ていたけど、選手を黙らせるような高圧的な感じがしなかったのは、自分の判定に絶対の自信があるからだろう。こういう審判が日本人にも増えてほしいと心から思った。採点8の工藤には及ばないものの、“裏MOM”として7.5としたい。
※MAN OF THE MATCH=岩本氏が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
取材・構成:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
――先発出場――
GK 21 菅野孝憲 6
好セーブを何度か見せていたし、キャッチングも及第点。ただ、後ろからつなげる場面でも、ロングボールを多用していたのは気になった。チームとして決まっているのかもしれないけど、もう少しメリハリをつけても良かったと思う。
DF 27 キム・チャンス 7
攻守両面でハイパフォーマンスだった。一番の評価は、DFとしてレナトを封じ込めたこと。レナトを消せば、フロンターレの攻撃力を半減させることができる。そして攻撃では、高精度のクロスで工藤のゴールをお膳立て。勝点3に大きく貢献した。
DF 4 鈴木大輔 6.5
90分をとおしてすごく安定していた。ヘディングの強さは盤石で、空中戦はほとんど勝っていた。入ってくるボールを確実に撥ね返し、セットプレーから奪われた失点以外、危ない場面をそこまで作らせなかった。ラインコントロールも問題なかった。
DF 13 エドゥアルド 6
鈴木と息の合ったコンビを見せ、1対1の強さなど局面の勝負で頼りになった。もっとも、クリアは別にいいんだけど、ビルドアップを重視するレイソルのサッカーにおいて、後ろからのつなぎのパスがやや雑だった。そこをもっと丁寧にこなせば、チーム内での評価もさらに上がるはず。
DF 22 輪湖直樹 6.5
エウシーニョや小林とのマッチアップに負けていなかった。気温の高いなかでも、惜しみない運動量で精力的な上下動をこなしていたのも好評価。SBとして与えられたタスクを全うしていた。欲を言えば、縦のオーバーラップだけでなく、例えばアンカーのパスコースを作るために中に入っていくとか、高い位置でポジションを取った場合、相手の最終ラインの裏のスペースを狙うとか、外がかりでなくインナーラップを心がけて、選手としての幅を広げてほしい。ゲームメイクにも顔を出せれば相手も困惑するだろうし、そういうSBは日本にまだまだ少ない。期待したいね。
MF 25 小林祐介 6.5
目立ちはしなかったけど、シンプルながら的確なプレーで奮闘。受けて、さばく、という一連の動作に無駄がなく、ソツなくこなしていた。
MF 8 茨田陽生 6.5
とにかくこの試合はレイソルが中盤を制することができていた。テンポ良くパスを回せていたけど、そこで重要な働きをしていたのが茨田だった。いろんな場面に顔を出してスムーズにボールを出し入れ。彼の存在はかなり効いていたと思う。
MF 7 大谷秀和 7
抜群の動きをしていた。中盤のトライアングルの形成はもちろん、キープ力が高く、飛び出しも効果的だった。アンカーの茨田がケアされれば、スッと下がってパスコースを作ってあげるし、味方が前を向いてパスを出そうとすれば、すかさず相手が嫌がるスペースを突いてボールを持つ選手の選択肢を増やす。状況に応じてなにをすべきかの判断が早くて、正確。一つひとつの細かいポジショニングでチームにペースを引き寄せる原動力となっていたのは間違いない。
FW 15 武富孝介 7
やはり、前半終了間際の同点弾を評価したい。あのまま0-1で終わっていたら、チームとしてかなり苦しくなっていたはず。あの1点が後半の戦いに及ぼした影響は大きかったと思う。それだけ価値のあるゴールだっただけに「7」を付けたい。ドリブルシュートだったけど、ドリブルのコース取りやシュートも良かった。
FW 9 工藤壮人 8 MOM
決定機を外す場面もあったけど、後半はしっかりとチャンスをモノにして2ゴール。さらにクリスティアーノのダメ押しゴールをアシスト。攻撃だけでなく、プレスバックをサボらず、キム・チャンスと連係しながらレナトを潰した。大車輪の活躍ぶりと言っていい。
FW 11 レアンドロ 6
確実に収めて、前線の起点となる活躍を披露していたと思う。頂点でボールが落ち着かないとチームとしても機能しなくなるだけに、彼の働きは大きかった。今後もっとコンディションが上がってくればゴールも取れるだろうし、そうなればレイソルはさらに強くなりそうな気がする。
――交代出場――
MF 栗澤遼一 6
派手さはなかったけど、それまでのレイソルの良いリズムを崩すことなく、ゲームに入れていた。常に落ち着いていて、安定感のあるプレーで勝利の確率を高めていた。
FW クリスティアーノ 7
水を得た魚のようにピッチを躍動。出場してすぐにゴールを決めて、その後もチャンスを作り出していた。トドメを指すチーム4点目の価値は大きい。フロンターレにとってもやっかいな選手だったに違いない。
監督 吉田達磨 7.5
目指すサッカーを十二分に体現できた試合だった。整然たるコンパクトさでゲームを進めながら、フロンターレの中盤を機能不全に追い込んでみせた。今季一番の出来だったのではないか。
■特別採点■
審判 クリストファー・ビース 7.5
今回は特別に審判も採点したい。というのも、非常に素晴らしいレフェリングと毅然としたジャッジを示して、試合を円滑に進めていたからだ。カードを出す際も、躊躇することなく、スピーディにズバッと提示する。抗議を一切受けつけないオーラが滲み出ていたけど、選手を黙らせるような高圧的な感じがしなかったのは、自分の判定に絶対の自信があるからだろう。こういう審判が日本人にも増えてほしいと心から思った。採点8の工藤には及ばないものの、“裏MOM”として7.5としたい。
※MAN OF THE MATCH=岩本氏が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
取材・構成:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)