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【岩本輝雄のプロフェッショナル採点】川崎×柏|大久保への供給を断てば、フロンターレは怖くない

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2015年05月01日

川崎――“らしくない”ボール逸もあった中村。大島は今まで見たなかで一番、存在感がなかった。

【警告】川崎=車屋(67分)、レナト(82分) 柏=輪湖(51分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】工藤壮人(柏)

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 現役時代は平塚や仙台などでプレーし、自慢の左足で日本代表としても活躍した岩本輝雄氏が、元選手ならではの鋭い視点でJリーガーのパフォーマンスや監督の采配をリアルにジャッジ!!
 
 世界のサッカーにも精通し、国内外の戦術を研究する日々を送る“サッカーおたく”岩本氏の眼にはどのように映ったのか――。
 
 第7回は、J1第1ステージ8節の川崎対柏を採点してもらった。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・8節
 
――◆――◆――
 
■川崎フロンターレ■
――先発出場――
GK 21 西部洋平 5.5
1対1を止めるなど、前半ですでに2度のファインセーブを見せてチームを助けていた。結果的に4失点を喰らってしまい、本人からすれば痛恨だったとは思うけど、そこまでひどい内容ではなかった。
 
DF 17 武岡優斗 5
逆サイドからのアーリークロスに対してポジションが絞り切れず、処理が甘くて工藤に決められた。イージーミスも目についたけど、彼の特性を考えれば中盤のほうが合っていると思うし、3バックでのプレーは少々、荷が重かったのではないか。ビルドアップの時はもう少し前に出ても良かった。
 
DF 3 角田 誠 5
武富のドリブルシュートへの対応では後ろに下がり過ぎるなど、厳しさが足りなかった。前半はそこまで悪くなかったけど、後半の出来は今ひとつで、3バックのセンターとして失点を食い止められなかった。重要なポジションであるにもかかわらず63分での交代。これだけ早いタイミングでピッチを退いていることが、この日のパフォーマンスを物語っている。
 
DF 5 谷口彰悟 5.5
先制点となるセットプレーからのヘディングシュートは見事だった。ただし、本職の守備では最終ラインを安定させることができず、とりわけクロス対応に難。工藤に2点を決められているけど、CBとしてあそこは踏ん張りどころ。
 
MF 20 車屋紳太郎 4.5
前半はまずまずの出来も、後半は完全に崩壊。背後を狙われ、失点はほとんど彼のサイドからやられてしまった。守備に追われて持ち味を出せず。厳しい内容だった。
 
MF 16 大島僚太 4.5
2ボランチでコンビを組む中村とは良い連係を見せていたけど、後ろでボールを捌いているだけで、まったく相手に脅威を与えられず、怖くなかった。自陣でのパス回しはスムーズでも、相手陣内に入ってなにができたのか。今まで見たなかで最も存在感を示せていなかった。
 
MF 14 中村憲剛 5.5
基本的には大島とほぼ同じ評価で、相手のペナルティエリア近くでの仕事が少なく、“らしくない”ボール逸もあった。そうしたなかでも、何本か効果的なパスを配球して少なからずチャンスは作っていたし、谷口のゴールをアシストしたセットプレーは素晴らしかった。
 
MF 18 エウシーニョ 5.5
序盤から果敢に仕掛けて、右サイドを活性化。献身的なアップダウンを見せていた。フロンターレは全体的に低調だったなかで、彼は決定的な仕事こそできなかったものの、可能性のあるプレーを数多く披露していたのではないだろうか。
 
FW 10 レナト 5
前を向いてボールを持った時は、攻撃に勢いをもたらしてはいた。惜しいシュートもあったけど、最後のところではキム・チャンスに完璧に抑えられて、工藤のプレスバックにも手を焼くなど、ゴールに直結するような働きができなかった。
 
FW 11 小林 悠 4.5
レイソルのディフェンスが良かったのもあるけど、効率的なプレーができていなかった。持ち味のスピードを出させてもらえず、右サイドでの絡みも機能せず。ゲームをとおして、限りなくインパクトは薄かった。
 
FW 13 大久保嘉人 4
FWとしてシュートゼロ……はいただけない。ただそれも納得できるというか、まったくボールを引き出せずに、焦れて下がってパスを受けようとしても上手くいかず。大久保への供給を断てば、フロンターレの攻撃はまるで怖くない。チームとして研究されてきているなかで、今が一番踏ん張り時かもしれない。
 
――交代出場――
FW 15 船山貴之 5
よく動いてはいたものの、良い形に持ち込めず。シュート技術は高いけど、それを存分に発揮できていなかった。まだチームにフィットしていない感があり、彼の特長を活かし切れていない。良い意味で、もっとひとりよがりのプレーを見せてもいいとも思った。
 
FW 9 杉本健勇 5
出場時間が短く、中盤を支配されているなかで起点になれず、本来の実力を出せないまま、流れを変えることはできなかった。
 
FW 27 安 柄俊 5
すでに勝負が決しているなかで投入されて、本人からすれば難しいシチュエーションでのプレーだったけど、劣勢を挽回するだけの力は見せられなかった。逆に言えばアピールするチャンスでもあっただけに、それを活かせなかったのは残念。指揮官の要求に応えられなかった。
 
監督 風間八宏 4.5
セットプレーから先制点を奪えたけど、きれいにラインを揃えて、コンパクトな陣形を保つレイソルを攻略できなかった。ストロングポイントである中盤も支配されたまま、有効な手を打てなかった。

前を向いてボールを持った時の怖さはあったが、柏の連動したディフェンスの前にレナト(10番)は仕事ができず。写真:田中研治

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