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【岩本輝雄のプロフェッショナル採点】横浜×湘南|ゴールは見事だったけど、齋藤はまだ本来の実力を出し切れていない

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2015年04月27日

横浜――俊輔はまだ“試運転”の段階。

今季リーグ戦初出場の中村について、岩本氏は「カブトムシの雄みたい」と独特の言い回しでその威圧感を表現。写真:田中研治

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 現役時代は平塚や仙台などでプレーし、自慢の左足で日本代表としても活躍した岩本輝雄氏が、元選手ならではの鋭い視点でJリーガーのパフォーマンスや監督の采配をリアルにジャッジ!!
 
 世界のサッカーにも精通し、国内外の戦術を研究する日々を送る“サッカーおたく”岩本氏の眼にはどのように映ったのか――。
 
 第6回は、J1第1ステージ7節の横浜対湘南を採点してもらった。

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――◆――◆――
 
■横浜F・マリノス■
――先発出場――
GK 1 榎本哲也 6
上から見ている限りでは、DF陣との連係に大きな問題もなく、数少ない出番でもミスなく処理。チームが完勝を収めたなかで、GKにとってはそれほど難しいゲームではなかったのではないか。
 
DF 13 小林祐三 6
この日の横浜は全体的に安定していて、守備に関しても危ない場面をほとんど作らせていなかった。小林もそうした戦いぶりの一端を担っていて、対面の菊池大介には1対1で負けることなく、サイドの攻防で優位に立っていた。パスのつなぎも良かった。
 
DF 5 ファビオ 6
CBでの出場だったけど、中澤とのコンビに問題はなし。カバーリングは的確で、CKの場面では守備でも攻撃でも空中戦の強さをいかんなく発揮。及第点のパフォーマンスだった。
 
DF 22 中澤佑二 6.5
ほぼパーフェクトな出来だったと思う。ブルーノ・セザルだけでなく、途中出場のアリソンに対しても仕事らしい仕事をさせなかった。局面の勝負で圧倒し、無失点に大きく貢献してみせた。
 
DF 23 下平 匠 6
線は細いけど、球際はすごく強い。ベルマーレは基本的に“激しい”チームだけど、まったく負けていなかった。後半は高山薫の突破に苦しんだけど、最後の最後はやらせなかった。下平のほうが一枚上手だった。
 
MF 28 喜田拓也 6.5
この選手は高校生の時から見ているけど、確かな成長を感じられた。2ボランチでやや守備的に構え、後方からテンポ良くパスを捌いていた。常に冷静にプレーし、中盤に落ち着きをもたらす存在で、三門のフォローもソツなくこなしていた。課題を挙げるとすれば、SBにボールが入った時、SBと並行にならず、少し斜め後ろにポジションを取れば、相手のプレスを回避できるし、楽にボールを回すこともできる。そこが修正できれば、チームとしても喜田本人にとっても、もっと良くなると思う。
 
MF 6 三門雄大 6
1~2メートルの移動をサボって、結果的にピンチを招いてしまう選手が少なくないなか、三門にはそうした部分がなかった。喜田がサイドに引っ張り出されるようなシチュエーションで、誰か中央に絞ってほしいという時にも、ちゃんと危険なエリアを埋めていた。鋭い出足で果敢に相手を潰しに行くし、汗かき役として今のマリノスには外せない選手ではないだろうか。欲を言えば、攻撃面で視野をもっと広くしてパスが出せれば、さらに脅威を与えられるはず。
 
MF 7 兵藤慎剛 6.5
タイミング良く相手のギャップを突いて、アデミウソンの1点目をアシスト。プレーによく関与していたけど、兵藤がボールを多く触れば触るほど、マリノスはリズムが出てくる。守備も精力的にこなしていたし、存在感のある働きぶりだった。
 
MF 39 アデミウソン 7 MOM
順調にコンディションが上がってきているのが十分に伝わるパフォーマンスだった。バラエティに富んだ仕掛けを見せ、ゴールシーンのみならず、多くの決定機を演出。ベルマーレからすれば、ひとりでは止められないほど手を焼いたはず。ラフィーニャとの連係も良かったし、ふたりの2トップも面白そうだと感じた。
 
MF 11 齋藤 学 6.5
一生懸命に頑張って動いているのは分かるけど、まだ本来の実力を出し切れていない気がする。ペナルティエリア内でのドリブルのキレが足りない。とはいえ、勝利を決定づける2点目のシュートは上手くコースを突いていて見事だった。結果を出したことを考えれば「6.5」でいい。
 
FW 16 伊藤 翔 5.5
前線からの守備では奮闘していた。ただし、CFは点を取ってナンボだし、シュートの意識も低かった印象で、決定的な仕事にも絡めないままで途中交代。奮起を促す意味でも、マイナス評価に。
 
――交代出場――
FW 18 ラフィーニャ 6
怪我明けでまだ100パーセントの状態ではないだろうけど、シュート2本を放ち、富澤のゴールもアシスト。ゴールチャンスに顔を出していたのは評価したいし、マリノスのこれからが楽しみになるようなプレーを見せてくれた。
 
MF 27 富澤清太郎 6
後ろからの飛び出しで長い距離を走り、ダメ押しの3点目を決めるなど、短い出場時間のなかでも結果を残してアピールにつなげた。富澤のこうした活躍が、マリノスの中盤の層の厚さを証明することになったのは、チームにとっても喜ばしいこと。守備ではCBの前で強固なブロックを作り、身体を張って守っていた。
 
MF 中村俊輔 5.5
ボールを取られることなく、でもスーパーなプレーもなし。まだ“試運転”の段階だろうね。ただ、ベンチ横のウォーミングアップを注意して見ていたけど、ラダーを使った動きでも、他の誰よりもキレがあったから、コンディションは良さそう。それをピッチのなかでどれだけ表現できるか。もう少し試合を重ねてから本領発揮というところか。あと、身体がひと回り大きくなったような気がする。こういう表現が正しいかどうか分からないけど、もちろん良い意味で、“カブトムシの雄”みたいで威圧感があった。パワーアップして完全復帰するのではないかと期待している。
 
監督 エリク・モンバエルツ 7
交代策も含めて、選手起用が当たっていた。守備ができて、動ける選手を好む傾向にあるようだけど、そうした采配を結果に結び付けている。確実にチームを勝点3へと導いてみせた。

齋藤のコースを突いたシュートは評価するも、全体的なパフォーマンスについて岩本氏は物足りなさを感じているという。写真:田中研治

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