ペップの美しいサッカーにファンは想いを馳せる。
バルセロニスタは、ここまで結果を出しているL・エンリケを評価している。ある地元メディアが4月末に実施したアンケートでは、「ルイス・エンリケの残留を望む」という声が過半を占めた。
もっとも、L・エンリケのサッカーが支持されているわけではない。
グアルディオラとともに世界を沸かせた美しきパスサッカーはどこへ行ってしまったのか――。
メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールという“トリデンテ”の個人能力に依存したサッカーをファンは嘆き、かつての理想郷に想いを馳せている。
我々メディアとの間もしっくり行っていない。L・エンリケは記者を誰ひとりとして懐に入れず、記者会見では無愛想極まりない。チームの勝利を大々的に取り上げるカタルーニャの地元紙にも、指揮官を称賛する記事は驚くほど少ない。記者を小馬鹿にしたような物言いをするL・エンリケを支持するメディアはほとんどないと言っていいだろう。
来シーズンのバルサのベンチに誰が座っているのか――。
それはまったく予想できない。今夏にはクラブの会長選挙も予定されている。立候補者は、それぞれ理想の監督の名前を挙げ、その招聘を公約に掲げるだろう。L・エンリケを支持する候補者もいれば、指揮官交代を約束して票を集めようとする候補者もいる。
では、監督を替えるとして、L・エンリケの後任には誰が理想か。
今シーズン限りでドルトムントを退団するユルゲン・クロップは、フリーの監督のなかでは最も実績があり、耳障りのいい名前だろう。とはいえ、あのインテンシティの高いサッカーがバルサスタイルにハマるとは思えない。
ミカエル・ラウドルップも候補になるかもしれないが、現役時代のマドリー在籍歴が気になるところ。ラファエル・ベニテスは守備的すぎるし、オスカル・ガルシアはまだバルサの監督をやれるレベルにはない。
クラブOBでもあるフランク・デブールとロナルド・クーマンのオランダ人ふたりは、その攻撃的な姿勢からバルサのスタイルにハマる可能性はある。
私はこう見ている。CLとリーガの2冠を獲れば、L・エンリケは続投。そのどちらかでも落とせば解任ではないか。
【記者】
Luis Fernando ROJO|MARCA
ルイス・フェルナンド・ロホ/マルカ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
【翻訳】
豊福晋
もっとも、L・エンリケのサッカーが支持されているわけではない。
グアルディオラとともに世界を沸かせた美しきパスサッカーはどこへ行ってしまったのか――。
メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールという“トリデンテ”の個人能力に依存したサッカーをファンは嘆き、かつての理想郷に想いを馳せている。
我々メディアとの間もしっくり行っていない。L・エンリケは記者を誰ひとりとして懐に入れず、記者会見では無愛想極まりない。チームの勝利を大々的に取り上げるカタルーニャの地元紙にも、指揮官を称賛する記事は驚くほど少ない。記者を小馬鹿にしたような物言いをするL・エンリケを支持するメディアはほとんどないと言っていいだろう。
来シーズンのバルサのベンチに誰が座っているのか――。
それはまったく予想できない。今夏にはクラブの会長選挙も予定されている。立候補者は、それぞれ理想の監督の名前を挙げ、その招聘を公約に掲げるだろう。L・エンリケを支持する候補者もいれば、指揮官交代を約束して票を集めようとする候補者もいる。
では、監督を替えるとして、L・エンリケの後任には誰が理想か。
今シーズン限りでドルトムントを退団するユルゲン・クロップは、フリーの監督のなかでは最も実績があり、耳障りのいい名前だろう。とはいえ、あのインテンシティの高いサッカーがバルサスタイルにハマるとは思えない。
ミカエル・ラウドルップも候補になるかもしれないが、現役時代のマドリー在籍歴が気になるところ。ラファエル・ベニテスは守備的すぎるし、オスカル・ガルシアはまだバルサの監督をやれるレベルにはない。
クラブOBでもあるフランク・デブールとロナルド・クーマンのオランダ人ふたりは、その攻撃的な姿勢からバルサのスタイルにハマる可能性はある。
私はこう見ている。CLとリーガの2冠を獲れば、L・エンリケは続投。そのどちらかでも落とせば解任ではないか。
【記者】
Luis Fernando ROJO|MARCA
ルイス・フェルナンド・ロホ/マルカ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
【翻訳】
豊福晋