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各州リーグは中断でも全国選手権は継続…コロナ禍で大混乱のブラジルで悲痛な叫び「お願いだから試合を止めてくれ」【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2021年03月28日

テレビカメラの前で涙ながらに訴える指揮官も…

 ヴォルタ・レドンダは人口20万人の小さな町だがすでに500人の死者が出ている。試合が行われたスタジアムの観客席の下には救急病院があって、そこではコロナ患者も受け入れている。おまけに試合を行なったコリンチャンスは今月10日には選手、コーチ含め、21人の陽性者が出ている。そこまで無理をして試合をする必要があったのだろうか。そもそも、2チームだけ5節を消化して、何の意味があるのか。すべては混乱している。

 かつてユベントスやインテルでプレーし、現在パルメイラスに所属するフェリペ・メロは自身のツイッターでこの試合をこう皮肉っている。

「サンパウロでプレーできなければ、サンパウロ以外でという考えで本当に良いのか? 試合を行なうということは、この町にはコロナはないのか? 本当にそうなら、家族でこの町に引っ越すよ」
 
 州リーグの多くはストップしたが、CBFの管轄する全国選手権は中止されていない。先日アメリカ・ミネイロのリスカ監督はテレビカメラの前で涙ながらにこう訴えた。

「この状況で、多くのチームの選手やスタッフがブラジル中を移動することはありえない。我々にも家族がある。私も友人を亡くしている。お願いだから試合をストップしてくれ」

たしかに、ブラジルの社会ではサッカーは重要なものだ。しかし試合は喜びのためにあるもの。命を脅かしてでも遂行すべきものではない。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
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