だが、この２回を除いても、ネイマールの怪我は多すぎる。このため、フランス各紙は現地時間12日、ネイマールの身体とこれまでの負傷部位を『解体新書』さながらに図解。筋肉系損傷の多さが一目瞭然になっている。

　フランス人が納得できないのはまさにこの点だ。ハイレベルのスポーツ選手の筋肉系損傷は、不健全な生活に起因することが多いためだ。疲労研究の専門家である生理学者ジャン＝ベルナール・ファーブル氏は『Le Parisien』紙のインタビューに応じ、「単純すぎる解釈をしてはならない。非常に寒いこの時期は筋肉負傷にうってつけだし、ピッチもあまりいい状態ではない」と前置きしたうえで、こう指摘している。

「もし本当に胃腸炎を患ったとしても、誕生祝いの祭りもしたかもしれず、早く就寝せず、おそらくアルコールも少し摂取したことだろう。アルコールと睡眠不足は筋肉起動力と腱に影響を及ぼすことがわかっている」

　ネイマールの誕生日は２月５日で、今年もその少し前にパーティーがあったと言われている。その直後にネイマールは「胃腸炎」で試合を欠場し、多くの人々は飲みすぎによる下痢を想像せざるを得なかった。また妹ラファエラさんの誕生日も３月11日に控えているため、一部では「またか」の溜息も漏れた。
 

　誕生日の件はそのうち判明するとして、問題は不健全な生活態度だ。

　前述のファーブル氏は、「パフォーマンスを発揮する選手というのは怪我をしない。（ネイマールには）うまくいっていない何かがある。メッシやクリスチアーノ・ロナウドのような同レベルの選手たちと彼の間にある差も、まさにそこから生まれている」と指摘。加えて、「しかも加齢につれて、それまでの筋肉強化や疲労回復の欠如のツケを払うことになる。あるところで不健全な生活のツケにつかまってしまうのだ」と分析した。

　『L’EQUIPE』紙もこの点を指摘し、「おびただしい数の遅くまでのパーティーを堂々とやっては、ソーシャルネットにひけらかしてきた」、「だがクラブ内部には、彼の睡眠のとり方、飲食物摂取のあり方、水分補給などが、非常にハイレベルなスポーツ選手の必要性に合致していないとみなす見方がある」と強調。一面には、クリスタルガラスが割れたグラフィックデザインとともに「クリスタルの罠」の大見出しが躍った。