赤と青の鮮明なコントラスト――マンチェスターダービー「5つの要点」

カテゴリ:メガクラブ

田嶋コウスケ

2015年04月13日

軌道に乗るファン・ハール政権、崩壊が迫るペレグリーニ政権。

シティは3月に入ってから2勝5敗と急降下。CL早期敗退、ダービーの完敗でペレグリーニ監督はもはやレームダック。 (C) Getty Images

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メンバーとシステムが固まり、ようやく軌道に乗ってきたファン・ハール体制。2位フィニッシュが見えてきた。 (C) Getty Images

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4)シティの尻すぼみ
 
 対するシティは、不振の一因とされる2トップの4-4-2から4-2-3-1に布陣を変更。序盤から積極的に仕掛け、6分には大外から抜け出したJ・ナバスがGKデ・ヘアとの決定的な1対1に持ち込む。これはナイスセーブに阻まれたものの、その2分後、中央にできたスペースにシルバが飛び込んでラストパス、アグエロがそれを押し込んだ。
 
 縦への仕掛けの意識を強く持ったシティが、その狙い通りに奪った理想の先制点だった。
 
 しかし同点に追いつかれてからは、みるみる勢いを失い、手詰まり状態に陥っていった。フェライニへの対応に追われて後手に回ったトゥーレ・ヤヤとフェルナンジーニョが攻撃の起点として機能せず、3人以上が連動する組織的な攻めは数えるほど。
 
 最終ラインも安定感を欠き、鼠径部を痛めたコンパニが前半で退くと、混乱はさらに広がった。FKからスモーリングにフリーでヘディングシュートを許した73分の失点が象徴的だった。
 
5)「赤」と「青」のコントラストが鮮明に
 
 3人の交代枠を使い切った後にキャリックがふくらはぎを負傷。10人になったユナイテッドはアグエロに2点目を許し(89分)、4-2で終了のホイッスルを聞いた。結果的に2点差に詰め寄られたとはいえ、スコア以上の完勝だった。
 
 6連勝は今シーズン二度目で、ファン・ハール体制はここにきてようやく軌道に乗った印象だ。なかでも、アンカーのキャリックがカバーリングに奔走し、アンデルがパスを左右に振り分け、フェライニがダイナミズムをもたらす中盤センターが「心臓部」として機能しているのが好調の要因だ。
 
 2位のアーセナルとは勝点1差。37節の直接対決を残しており、2位フィニッシュが見えてきた。
 
 一方のシティは、3月以降はわずか2勝(5敗)と不振で、ペレグリーニ監督の解任が囁かれるほどの泥沼状態だ。
 
 ユナイテッドとの勝点差が4に広がる一方、5位サウサンプトンとは勝点5差に。背後が気になってきた。
 
文:田嶋康輔
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