選手の代表での未来にも暗い影を落としているミランの低迷…。

パソット記者は日本代表での本田を“別人”と形容するが、ウズベキスタン戦では試合から消える場面もあり、ミランと同じ状況が見受けられた。クラブ、代表両方で、本田は生き残りを懸けた戦いを強いられている。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)
それにしても、ミランで代表入りする選手がたった6人しかいないことには、改めて驚きを感じる。選手の代表入りは、個人の力以上に、所属チームの出来不出来に左右される。そのチームが好調なのは、そこに所属している選手が好調であるということだからだ。その論理からすれば、招集される選手が少ないのも当然かもしれないが……。
今回、アズーリに呼ばれた3人以外にも、ミランに代表クラスのイタリア人(国籍)選手はいる。しかし、マッティア・デ・シリオは長く怪我に悩まされており、ステファン・エル・シャーラウィもリッカルド・モントリーボも同様の状態にある。
サルバトーレ・ボッケッティとガブリエル・パレッタはアズーリ復帰を目指している状態で、マッティア・デストロはミランのメカニズムに馴染むのに苦労をしており、代表招集でもそのツケを払わされている感じだ。アンドレア・ポーリとジャコモ・ボナベントゥーラも代表歴を有するも、昨年11月以降は招集されていない。
イタリア人以外では、アルメロだけでなくクリスティアン・サパタもコロンビア代表だが、彼も長い怪我からやっと復帰したばかりだ。そしてセリエAで2番目にゴールを決めているジェレミー・メネーズは、それでもディディエ・デシャン監督を納得させるには至らず、2013年3月が最後のフランス代表招集となっている。
つまりミランの不調は、それぞれの選手たちの代表入りにも影を落としているということになる。彼らにとって幸いなのは、今年は大きな国際大会がないことだ。しかし欧州ではEURO予選が進んでおり、他大陸でも間もなく2018年ロシア・ワールドカップ予選が始まる。
母国の代表選手に選ばれ、活躍したいと選手たちが願うのなら、彼らは本田のように頑張ってみるといいのかもしれない。先週の水曜日、本田は東京から戻ってきたその足で、自宅にも寄らず、練習に参加するためミラネッロにやって来たのだ。アジアカップから帰ってきた時もそうだったが、本田の勤勉さには本当に驚かされる。
ただ、その練習で本田は足首を捻挫し、復帰までには数週間を要するという。フィリッポ・インザーギ監督は本田の不在を嘆いていたが、逆に考えれば、ここで多少の休息を取ることが、大事なシーズン終盤戦での最終ダッシュにつながるかもしれない。
とにかく今後、3ポイントを取り続けることが、ミランの最終目標であるヨーロッパリーグ出場権に近づく唯一の方法であり、そこで本田はキーマンとなるかもしれない。そして目標を果たせたなら、彼の価値はミランでも、日本代表でもさらに上昇することだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
今回、アズーリに呼ばれた3人以外にも、ミランに代表クラスのイタリア人(国籍)選手はいる。しかし、マッティア・デ・シリオは長く怪我に悩まされており、ステファン・エル・シャーラウィもリッカルド・モントリーボも同様の状態にある。
サルバトーレ・ボッケッティとガブリエル・パレッタはアズーリ復帰を目指している状態で、マッティア・デストロはミランのメカニズムに馴染むのに苦労をしており、代表招集でもそのツケを払わされている感じだ。アンドレア・ポーリとジャコモ・ボナベントゥーラも代表歴を有するも、昨年11月以降は招集されていない。
イタリア人以外では、アルメロだけでなくクリスティアン・サパタもコロンビア代表だが、彼も長い怪我からやっと復帰したばかりだ。そしてセリエAで2番目にゴールを決めているジェレミー・メネーズは、それでもディディエ・デシャン監督を納得させるには至らず、2013年3月が最後のフランス代表招集となっている。
つまりミランの不調は、それぞれの選手たちの代表入りにも影を落としているということになる。彼らにとって幸いなのは、今年は大きな国際大会がないことだ。しかし欧州ではEURO予選が進んでおり、他大陸でも間もなく2018年ロシア・ワールドカップ予選が始まる。
母国の代表選手に選ばれ、活躍したいと選手たちが願うのなら、彼らは本田のように頑張ってみるといいのかもしれない。先週の水曜日、本田は東京から戻ってきたその足で、自宅にも寄らず、練習に参加するためミラネッロにやって来たのだ。アジアカップから帰ってきた時もそうだったが、本田の勤勉さには本当に驚かされる。
ただ、その練習で本田は足首を捻挫し、復帰までには数週間を要するという。フィリッポ・インザーギ監督は本田の不在を嘆いていたが、逆に考えれば、ここで多少の休息を取ることが、大事なシーズン終盤戦での最終ダッシュにつながるかもしれない。
とにかく今後、3ポイントを取り続けることが、ミランの最終目標であるヨーロッパリーグ出場権に近づく唯一の方法であり、そこで本田はキーマンとなるかもしれない。そして目標を果たせたなら、彼の価値はミランでも、日本代表でもさらに上昇することだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。