本田以外は誰も良い時間を過ごせなかった3月の代表ウィーク。


本田以外に代表チームでスタメンとしてプレーしたのはアントネッリ(上)とデヨング(下)。いずれもミランでは存在感を示し、及第点以上のプレーを見せている。最も活躍しているメネーズは招集すらされていないが……。 (C) Alberto LINGRIA & Getty Images
3月末の数日間、多くのリーグ戦が中断し、欧州では来年のEURO2016に向けての予選、その他にも多くの国際親善試合が行なわれた。
代表戦に対しては、イタリアのクラブチームは相反する2つの反応を見せる。自分のチームに国を代表して戦う選手がいることを誇ると同時に、甚だ迷惑にも感じているのだ。本来なら腰を落ち着けて練習できるはずの時間を、長距離移動や試合に費やし、ここで疲れを溜め、さらには怪我をして帰ってくる危険性さえあるのだ。
その点、ミランはコスモポリタンなDNAを持つチームで(その証拠にサポーターも世界中にいる)、各代表チームとはできるだけ問題を起こさないように努めているし、自分のチームから代表を送り出すのも、名門なればこそと心得ている。
代表に選ばれるのはそれだけ高いテクニックを持っている証拠であるから、多少代表戦に煩わされても、代表クラスの選手を持つことはチームにとって大きなアドバンテージであると考えているのだ。
加えてシルビオ・ベルルスコーニ・オーナーは今後、ミランを主に若手とイタリア人選手で構成していきたいという考えを公式に発表している。つまり、ミランからより多くのアズーリ・プレーヤーを輩出しようというのだ。
ミランは伝統的に、多くの選手を代表チームに“貸し出してきた”チームである。各国の代表戦が行なわれると、かつてはミランから10人以上の選手が、それぞれの国に舞い戻ったものである。しかし今、その数はめっきり少なくなってきている。
例えば3月の代表戦ウィークで、ミラネッロを後にしてそれぞれの国のために戦った選手はたったの6人だった。イタリア代表にイグナツィオ・アバーテ、ルカ・アントネッリ、アレッシオ・チェルチの3人、オランダ代表にナイジェル・デヨング、日本代表に本田圭佑、そしてコロンビア代表のパブロ・アルメロだ。
このなかで今回、一番活躍をしたのは本田だろう。親善試合ではあったが、ゴール、アシストと大活躍を見せたことは、イタリアにも伝わってきた。
それにしても、本田は日本代表に戻ると豹変する。ミランでは非常にシャイで、多くの選手のなかのひとりとなってしまうが、日本代表では強いカリスマ性を持ったリーダーとなるのだ。
このような変身ぶりは、ミランのアズーリ・プレーヤーには見られない。アントネッリはEURO予選のブルガリア戦で77分間、親善試合のイングランド戦で17分間ピッチに立ったが、アバーテはブルガリア戦には招集されず、イングランド戦で30分だけプレー。チェルチに至っては両試合ともベンチだった。
他国の選手にしても、デヨングはトルコ戦で63分間プレーし、スペイン戦ではベンチ。アルメロはバーレーン戦でもクェート戦でも、メンバーにも入らなかった。つまり本田以外は、誰も良い代表戦を過ごしたとは言えないのである。
代表戦に対しては、イタリアのクラブチームは相反する2つの反応を見せる。自分のチームに国を代表して戦う選手がいることを誇ると同時に、甚だ迷惑にも感じているのだ。本来なら腰を落ち着けて練習できるはずの時間を、長距離移動や試合に費やし、ここで疲れを溜め、さらには怪我をして帰ってくる危険性さえあるのだ。
その点、ミランはコスモポリタンなDNAを持つチームで(その証拠にサポーターも世界中にいる)、各代表チームとはできるだけ問題を起こさないように努めているし、自分のチームから代表を送り出すのも、名門なればこそと心得ている。
代表に選ばれるのはそれだけ高いテクニックを持っている証拠であるから、多少代表戦に煩わされても、代表クラスの選手を持つことはチームにとって大きなアドバンテージであると考えているのだ。
加えてシルビオ・ベルルスコーニ・オーナーは今後、ミランを主に若手とイタリア人選手で構成していきたいという考えを公式に発表している。つまり、ミランからより多くのアズーリ・プレーヤーを輩出しようというのだ。
ミランは伝統的に、多くの選手を代表チームに“貸し出してきた”チームである。各国の代表戦が行なわれると、かつてはミランから10人以上の選手が、それぞれの国に舞い戻ったものである。しかし今、その数はめっきり少なくなってきている。
例えば3月の代表戦ウィークで、ミラネッロを後にしてそれぞれの国のために戦った選手はたったの6人だった。イタリア代表にイグナツィオ・アバーテ、ルカ・アントネッリ、アレッシオ・チェルチの3人、オランダ代表にナイジェル・デヨング、日本代表に本田圭佑、そしてコロンビア代表のパブロ・アルメロだ。
このなかで今回、一番活躍をしたのは本田だろう。親善試合ではあったが、ゴール、アシストと大活躍を見せたことは、イタリアにも伝わってきた。
それにしても、本田は日本代表に戻ると豹変する。ミランでは非常にシャイで、多くの選手のなかのひとりとなってしまうが、日本代表では強いカリスマ性を持ったリーダーとなるのだ。
このような変身ぶりは、ミランのアズーリ・プレーヤーには見られない。アントネッリはEURO予選のブルガリア戦で77分間、親善試合のイングランド戦で17分間ピッチに立ったが、アバーテはブルガリア戦には招集されず、イングランド戦で30分だけプレー。チェルチに至っては両試合ともベンチだった。
他国の選手にしても、デヨングはトルコ戦で63分間プレーし、スペイン戦ではベンチ。アルメロはバーレーン戦でもクェート戦でも、メンバーにも入らなかった。つまり本田以外は、誰も良い代表戦を過ごしたとは言えないのである。