連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】プロフェッショナルとして生きる、三浦知良の矜持

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年04月05日

カズの勝負師としての精神はいまだ枯れず。

良いプレーも悪いプレーも、きちんと評価されることを望む。それがカズがプロフェッショナルとして生きるということなのだろう。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 もはや良いプレーをしなくても、カズを手厳しく批判したり、文句を言うファンや記者はいない。ピッチに立つだけで、みんなが喜んでくれる。だが、この人間国宝のような扱いにカズは忸怩たる想いを抱いているようだ。
 
「48歳だから、試合に出ただけで満足していいのか。チームのために役に立たなければ、それは自己満足になってしまう」
 
 そう、カズはあくまでもプロフェッショナルとしてピッチに立ちたいのだ。自分の仕事はチームの勝利に貢献して、観客に喜んでもらうこと。記録を更新するために、ピッチに立っているわけではない。
 
 サッカーはプロでなくても続けられる。週末にフットサル場や河川敷で仲間と一緒にボールを蹴ればいい。だがカズは、それでは燃えられない。週末の貴重な時間を割き、お金を払ってスタジアムに足を運んだ人々に、自らのすべてを見せたいのだ。
 
 そして良いプレーをしたら存分に喝采を浴びて、悪ければブーイングを浴びる。これがブラジルでサッカーを叩き込まれたカズにとっての、「生きる」ということなのだと思う。
 
 48歳になったカズは、肉体の衰えを自覚している。だが、勝負師としての精神は枯れてはいない。今もハイエナのようにゴールを、勝利を追い求めている。
 
「次は自分のゴールで勝ちたい」とカズは言った。近い将来、またカズダンスが見られそうだ。

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取材・文:熊崎 敬
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